最新記事

米大統領選

共和党「トランプ一択」に待ったをかける男<2024年米大統領選>

Ron DeSantis Has Been Closing the Gap on Donald Trump: GOP Primary Polls

2022年1月18日(火)21時06分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
デサンティス・フロリダ州知事

2020年12月、当時のトランプ政権がホワイトハウスで開いたワクチンサミットに出席したデサンティス Tom Brenner-REUTERS

<フロリダ州のデサンティス知事が支持率でトランプにじりじりと迫りつつある。いったいどんな政治家なのか>

2024年の米大統領選で、誰が共和党の指名候補になるべきか――この問題をめぐる最近の複数の調査で、フロリダ州のロン・デサンティス知事がドナルド・トランプ前大統領との差を縮めつつある。依然としてトランプが圧倒的な支持を誇っていることに変わりはないが、デサンティスがじりじりと迫っているのだ。

調査会社イプソスモリが2021年12月半ばに実施した世論調査では、共和党員の半数以上(54%)が、共和党の次期大統領候補としてトランプを支持すると回答。デサンティスは2位につけたものの、支持率はわずか11%でトランプに43ポイントの差をつけられた。

しかしながら、その後の2つの世論調査では、デサンティスの支持率がやや上昇しているという結果が示された。

2021年12月14日~20日にかけてユーガブが実施した調査では、次期大統領の候補として、共和党員の55%がトランプを支持したものの、回答者全体の20%がデサンティスを支持。両者の差は35ポイントに縮まった。デサンティスは共和党の指名候補としても、共和党員の37%の支持を得て2位につけた。

穏健派や無党派層の支持次第で対抗馬に

マサチューセッツ大学アマースト校の教授で同大学の世論調査機関の副所長であるジェシー・ローズは、「現時点では依然、ドナルド・トランプが2024年大統領選の共和党指名候補の本命なのは明らかだ」と述べた。「しかしながら、デサンティスもかなりの支持を得ている。穏健派や無党派層の動き次第で、デサンティスが今後、党の指名争いでトランプと張り合うことも十分にあり得る」

2022年1月7日~9日にかけてシグナルが実施した別の世論調査では、共和党の予備選に投票する可能性が高い有権者の間で、トランプが一番人気だったものの、支持率は半数を割り込む47%だった。2位につけたデサンティスは、支持率19%と依然としてトランプに大きく水をあけられてはいたものの、両者の差は27ポイントに縮まった。

2021年12月半ばにユーガブが実施した、あと2つの世論調査も、デサンティスにとって明るい兆しと言えるだろう。このうち1つの調査でのデサンティスの支持率は23%と、トランプとの差はわずか21ポイント。もう1つの調査でも26%の支持を獲得し、トランプとの差はわずか17ポイントだった。

これらの世論調査結果は、共和党の潜在有権者の間で、デサンティスの支持率が高まりつつあることを示している。これに先立ち、トランプがかつての盟友だったデサンティスを攻撃し始めたという複数の報道があった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中東情勢深く懸念、エスカレーションにつながる行動強

ワールド

ウクライナ中部にロシアミサイル攻撃、8人死亡 重要

ワールド

パキスタンで日本人乗った車に自爆攻撃、全員無事 警

ビジネス

英小売売上高、3月は前月比横ばい インフレ鈍化でも
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 4

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 5

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 6

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 10

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中