最新記事

食育

アメリカの子どもの約4割が「ホットドックは植物性食品」だと思っている

2021年11月25日(木)18時50分
松岡由希子

アメリカの子どもの約4割が「ホットドッグやハンバーガー、ベーコンは植物性食品である」と思っていた LightFieldStudios-iStock

<米ファーマン大学の研究チームは、米国南東部の都市部に居住する4~7歳の子どもを対象に調査し、子どもの約4割が「ホットドッグやハンバーガー、ベーコンは植物性食品である」と思い違いしていることが明らかになった>

米国の子どもの約4割が「ホットドッグやハンバーガー、ベーコンは植物性食品である」と思い違いしていることが明らかとなった。一連の調査結果は2021年10月9日に学術雑誌「ジャーナル・オブ・エンバイロメンタルサイコロジー」で発表されている。

フライドポテトを46%が動物性食品に分類

米ファーマン大学の研究チームは、米国南東部の都市部に居住する4~7歳の子ども176人を対象に調査を実施。被験者の平均年齢は5.8歳で、47%が女児であった。

まず、チーズやチキンナゲット、フライドポテト、ニンジンなど、子供たちになじみのある食品が描かれた13枚の絵を見せ、それぞれ植物性食品と動物性食品に分類させた。

その結果、ホットドッグを植物性食品に分類した被験者の割合は39.7%であった。同様に、40.9%がベーコン、44.3%がチーズ、36.3%がハンバーガーを植物性食品に分類した。

また、フライドポテトを動物性食品に分類した割合は46.5%。同様に、35.2%がポップコーン、31.8%がアーモンドを動物性食品に分類している。

多くの子どもたちは、原料が肉であることを知らず消費

さらに、牛、ブタ、ニワトリ、魚といった食料源となる動物や、イヌ、ネコ、馬、サル、泥、砂など、14枚の絵を見せて、食べられるものと食べられないものとに分類させた。

その結果、牛を食べられないものに分類した被験者の割合は76.7%にのぼった。73.3%がブタ、65.91%がニワトリを食べられないものに分類している。

研究チームは、これらの調査結果をふまえ、「動物性食品の消費を正当化するために論理武装する大人と異なり、子供たちは無邪気に肉を食べている」と指摘。多くの子どもたちは、その原料が肉であることを知らずに動物性食品を消費している。

「環境に配慮した食生活を習慣化するうえで好機」

研究チームは、環境に配慮した食生活を習慣化するうえで、むしろこれを好機とみる。「中年期以降よりも幼年期のほうが、菜食中心の食生活を容易に身につけやすいのではないか」と考察。「若者の環境活動は家庭の食卓から始まる。アニマルウェルフェア(動物福祉)に反する食品の摂取を控えることで、子供たちは環境に対する道徳的な見識に沿って行動するようになるだろう。また、子どもたちの食行動が親世代に影響をもたらすかもしれない」と述べている。


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

ドル155円台へ上昇、34年ぶり高値を更新=外為市

ビジネス

エアバスに偏らず機材調達、ボーイングとの関係変わら

ビジネス

独IFO業況指数、4月は予想上回り3カ月連続改善 

ワールド

イラン大統領、16年ぶりにスリランカ訪問 「関係強
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 6

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 7

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 8

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 9

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 10

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中