最新記事

感染対策

ランニングや自転車、飛沫は遠くへ 最低10メートル開けて──仏スポーツ省が要請

2020年5月7日(木)16時00分
松丸さとみ

ランニングの立ち位置によって、飛沫の影響もかなり異なる...... rsysnn-YouTube

<ロックダウン解除後、ランニングはどうするのがいいのか。スリップストリームと呼ばれる空気の流れや、人の動きによって、飛沫がいかに飛ぶのか研究が発表されている......>

ロックダウン中のランニングは自宅から1キロ以内、自転車は禁止

フランスでは、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策として、3月17日から外出禁止令が出され、いわゆる「ロックダウン」状態となっているが、5月11日から段階的に解除される見通しだ。そこでスポーツ省はこのほど、禁止令解除後にランニングやサイクリングを行う際には、対人距離を10メートル以上開けるよう国民に求めた。

現在のところフランスで外出できるのは、生活必需品の買い出し、医療目的、家族の世話をする場合、通勤時(必要不可欠な職種やリモートでできない仕事などに限る)、ペットの散歩、短時間の運動に限られ、いずれも証明書を所持する必要がある。

ウェブメディア「ザ・ローカル」フランス版によると、仏政府が発表した「短時間の運動」が何を指すかは当初、明確ではなかった。そのためエドゥアール・フィリップ首相は3月24日、改めて詳細な定義を発表。ジョギングの場合は、単独または同じ世帯に住む人と、1日1回、自宅から1キロ以内で1時間のみとした。グループ・スポーツは禁止で、単独でできる自転車も、通勤に使用する以外は禁止だ。

出口戦略、「ウイルスと共に生きていく」

当初2週間だった外出規制は4月15日まで延長され、さらに5月11日まで延長されている。しかしフィリップ首相は4月28日、ロックダウン解除後の出口戦略を発表し、5月11日以降、段階的に規制を解除していく方針を明らかにした(ユーロニュース)。

同首相は、ロックダウンを行ったことでひと月あたり6万2000人の命が救われたと説明。しかし「私たちは、ウイルスと共に生きていくことを学ばなければならない」と話し、第2波のリスクも高いため、解除後も対人距離の維持は必要だと強調した。

ロックダウンが解除されれば、それまで規制されていたサイクリングも再開が可能になる。しかしAFP通信によると、スポーツ省は4月30日、ロックダウン解除後にランニングおよびサイクリングを行う際には、他の人との距離は最低でも10メートル開けてほしいと呼びかけた。

ヨガやテニス、その他のアクティビティについては、人との間は4平方メートル以上開けるよう求めているという。ただし、10人を超える人数で集まることや、サッカーなどのスポーツは5月11日以降も引き続き禁止となる予定だ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

北朝鮮、黄海でミサイル発射実験=KCNA

ビジネス

根強いインフレ、金融安定への主要リスク=FRB半期

ビジネス

英インフレ、今後3年間で目標2%に向け推移=ラムス

ビジネス

米国株式市場=S&Pとナスダック下落、ネットフリッ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32、経済状況が悪くないのに深刻さを増す背景

  • 4

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 5

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 6

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 7

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 8

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中