最新記事

歴史問題

韓国、慰安婦財団を解散 日本政府は日韓合意に違反と抗議申し入れ

2019年7月5日(金)12時52分

日韓慰安婦合意に基づき元慰安婦や遺族への支援事業を行ってきた韓国の財団が解散登記を終えたとの報道を受けて、西村康稔官房副長官は日韓合意に照らして極めて問題があるとの認識を示し、韓国に抗議したと明らかにした。写真は慰安婦問題の象徴とされる少女像 Kim Kyung Hoon-REUTERS

西村康稔官房副長官は、日韓慰安婦合意に基づき元慰安婦や遺族への支援事業を行ってきた財団が解散登記を終えたとの報道を受けて、日韓合意に照らして極めて問題があるとの認識を示し、韓国に抗議したと明らかにした。5日午前の会見で述べた。

安倍晋三首相が日韓首脳会談の際に文在寅(ムンジェイン)韓国大統領から、財団は解散しないと明言されているとして、「日本としては到底受け入れられないと述べ、韓国側に強く申し入れを行った」という。

また「韓国側からは、今回の登記により財団の解散が完了したわけではないとの説明を受けているが、韓国側に引き続き日韓合意の着実な実行を求めていくことに変わりはない」と述べた。外交官で協議、首脳間での確認するという確約を韓国側から取り付けており、政権が変わっても合意はしっかり守ることが国際社会への責務であると指摘した。

共同通信によると、2015年の従軍慰安婦問題に関する日韓合意に基づいて韓国で設立され、元慰安婦らへの現金支給事業を担った「和解・癒やし財団」が正式に解散したことが5日、分かった。6月17日付で解散登記を申請し、7月3日に当局から完了通知を受け取ったと財団関係者が明らかにした。

(中川泉 )

[東京 5日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20240423issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年4月23日号(4月16日発売)は「老人極貧社会 韓国」特集。老人貧困率は先進国最悪。過酷バイトに食料配給……繫栄から取り残され困窮する高齢者は日本の未来の姿

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=S&Pとナスダック下落、ネットフリッ

ワールド

IMF委、共同声明出せず 中東・ウクライナ巡り見解

ビジネス

NY外為市場=円・スイスフラン上げ幅縮小、イランが

ビジネス

米P&G、通期コア利益見通し上方修正 堅調な需要や
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿

  • 4

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 5

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 8

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中