最新記事

ロシア

恋人を殺して食べたロシア人の男、詩で無罪を訴え

Russian Cannibal Drank Victim's Blood From a Goblet

2018年11月26日(月)18時00分
クリスティナ・マザ

犯行は計画的だったと、検察は主張した Sami Sert/iStock.

<その青年は、『ハンニバル』並みに女の血を飲み脳を食べたという>

女性を殺害してその血を飲むなどしたとして罪に問われたロシア人の男が、裁判の最終陳述を「詩」で行った。

ドミトリー・ルチン被告(22)は11月20日、鉄格子に囲まれた被告人席で自作の詩を唱えた。彼は無罪を主張するとともに、裁判官に対し自分は「狂人でもなければ殺人犯でもなく、食人もしていない」と訴えた。また、自分は「学生でスポーツ選手で詩人」であり、「無実の男が刑務所に行くべきではない」と無罪判決を求めた。

だが詩で訴えたところで判事の心が動くはずもなく、ルチンは終身刑はまぬかれたものの、殺人と遺体を冒とくした罪で禁錮19年の判決を受けた。

捜査当局によれば、ルチンは被害者の40歳代の女性とともにワインを飲んでいたが、けんかになって女性を刺殺。そして脳など遺体の一部を食べたという。一部の報道では、被害者はルチンの交際相手だったとされている。

検察は殺人は計画的で、ルチンは過去の連続殺人への関心を強めていたと主張。ルチンは裁判の前には殺人を認めていたとの報道もある。

30人もの犠牲を出したとされるカップルも

ロシアで人肉食の犯行を問われるのはルチンが初めてではない。戦争と飢餓が長く続いた20世紀前半にはいくつもの事件が記録されている。また昨年、南西部クラスノダールでは複数の被害者に鎮静剤を投与し、生きたまま皮をはいだとしてカップルが逮捕・起訴された。

捜査当局によれば、このカップルは被害者の遺体の一部を食べるとともに、残りを冷凍したり塩漬けにして保存。2人の自宅ではびん詰めになった人間の手も見つかったと伝えられている。警察によれば犠牲者は30人に上る可能性もあるという。また、2人は軍の学校の厨房で働いており、兵士たちに出す食事にも人肉を使おうとした疑いが持たれている。

何人もの人を食べたとして逮捕されたロシアのカップル


2人は落とし物の携帯電話の中に、人体の一部を口にくわえた男の写真が入っているのが見つかったことがきっかけで逮捕された。

(翻訳:村井裕美)

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

LSEG、第1四半期決算は市場予想と一致 MSとの

ワールド

北朝鮮製武器輸送したロシア船、中国の港に停泊 衛星

ビジネス

大和証G、1―3月期経常利益は84%増 「4月も順

ビジネス

ソフトバンク、9月末の株主対象に株式10分割 株主
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 10

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中