自動運転の到来で誰もがテロリストになれる時代に?
2017年4月7日のストックホルムでのテロ攻撃には巨大なトラックが使われた、(c) ReadWrite[日本版]編集部
自動車テロに関するニュースがここ一週間はやっと鳴りを潜めた感じだ。自動車テロとは、加害者が目標に対し致命的な怪我を負わせたり、建物に深刻なダメージを負わせたりすることを狙った攻撃のことである。
2014年から2017年の間で世界的に知られるこうした攻撃は21回を数えており、ロンドンやベルリン、ストックホルム、エルサレムやバルセロナを含む地域で220名以上が死亡、800名以上の負傷者を出している。
テロ攻撃にはあらゆるものが武器として使われ、車やトラックはそうした武器の一つに過ぎないというのは理解できるところだ。同時にテロを防ぐためには法律や諜報活動、政治といったことのみならず、第一に人々がテロ活動に引き込まれないようにするにはどうすればいいかと言ったさまざまなことが考えられなければならない。車が突っ込んでくるのを防ぐための進入防止柵などの導入が進んでいるのは知っての通りだ。
私はかつて、こうした車を使った攻撃で死亡者が出た都市、メルボルンとベルリンに住んでいたことがある。また巡行バスが抱える問題は自動運転車について知る技術系ライターにとっては馴染み深いものだろう。故意のテロ行為だけでなく、体調の悪い乗客が出た時やカーナビのおかしなガイドを運転手が馬鹿正直に守り続けた場合にも、人を轢いたり建物にぶつかったりすることがある。
ではテクノロジーはこういったことを解決する助けになるのだろうか?
テクノロジーはどう役立つのか
ベルリンでは去年、クリスマスの日にテロリストがトラックで突っ込み多大な犠牲を出したが、状況はさらにひどいものになる可能性もあった。聞くところによるとトラックは攻撃を初めてまもなく停止したという。と言うのもEUではトラックに取り付けることが義務付けられている自動緊急ブレーキシステムが備わっていたからだ。
EU規制 No. 347/2012には前方の車と衝突する可能性を検知する自動緊急ブレーキシステム(AEBS)の技術的要求やテスト過程についての仕様が記載されている。光や音、触覚などを通じて運転手に警告を送り、それでも反応がない場合は自動的にブレーキが作動する。今回の件ではトラックが狙いよりもずっと前に停止したため、多くの命を救うこととなった。同じような規制は米国でも提案されている。