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アメリカ政治国境調整税、輸出入とも阻害の恐れ=NY連銀報告書
2月24日、国境調整税について、ニューヨーク連銀が米国の輸出入の双方を阻害する可能性があると懸念を示した。写真は米入国手続きのためメキシコ側国境で列をつくるトラック。2日撮影(2017年 ロイター/Jorge Duenes)
米議会共和党が推進している国境調整税について、米ニューヨーク(NY)連銀が24日に公表した報告書で、導入されれば米国の輸出と輸入の双方が阻害される可能性があるとの懸念が示された。
同報告書はNY連銀のエコノミスト、プリンストン大学の経済学准教授、ルーヴェン大学の経済学教授の3人が共同で執筆。連邦準備理事会(FRB)の見解を反映するものではない。
報告書は、国境調整税導入の推進派が主張するように税金に見合うだけドル相場が上昇しない可能性があると指摘。その理由として、米国の貿易相手国も類似の税金を導入する可能性があること、米国の貿易の大部分がドル建てで行われていることを挙げた。
報告書は「国境調整税の意図せぬ結果として、輸出が促進される代わりに低迷する可能性がある」と指摘。「ドルが税金に見合うだけ上昇しなければ、米国の輸入と輸出に対する短中期的な効果は低水準にとどまる」とし、「企業と家計の双方は、輸入品のほか国内で生産された製品の価格の上昇に直面することになる」とした。
トランプ大統領は前日、ロイターのインタビューに対し、国境調整税は米国で一段の雇用創出につながる可能性があると述べたが、詳細には踏み込まなかった。