トランプ大統領インタビュー「他国に後れ取らず」核増強を明言
2月23日、トランプ米大統領は、ロイターとの独占インタビューに応じ、米国が核兵器能力で他国に劣ることはないとして核備蓄を増強する考えを表明した(2017年 ロイター/Jonathan Ernst)
トランプ米大統領は23日、ホワイトハウスでロイターとのインタビューに応じ、米国が核兵器能力で他国に劣ることはないとして核備蓄を増強する考えを表明した。トランプ氏が核兵器について発言するのは就任以来初めて。
同氏は「私は核のない世界を誰よりも見たいと思っている人間だ。しかし、それが友好国であっても、他国に劣るつもりは決してない。核兵器で後れを取ることは決してない」と明言した。
オバマ政権下のロシアと締結した新戦略兵器削減条約(新START)は、米ロが2018年2月までに配備済みの戦略核弾頭を1550発に削減することを定めている。
トランプ氏はインタビューで、新STARTが「一方的な協定だ」と批判。「米国が行ったまずい協定の一つだ。STARTであっても、イランとの合意であっても、われわれは良い協定を作り始める」と強調した。
また、ロシアが地上発射型の巡航ミサイルを配備したことについて、1987年の中距離核戦力全廃条約に違反するとして批判。ロシアのプーチン大統領に問題を提起するかとの質問には、「われわれがもし会談すれば」そうすると述べた。プーチン氏との会談予定はまだないとも答えた。
一方、北朝鮮の弾道ミサイル実験については「非常に怒りを覚えている」と非難。日本や韓国のミサイル防衛システムを加速させるなど、さまざまな選択肢があるとした。
中国の為替操作を批判
また、トランプ大統領は、中国は為替操作の「グランド・チャンピオン」と表明。中国が人民元相場を操作しているという持論を「後退させてはいない」と強調した。
トランプ大統領は「私は彼ら(中国)を為替操作のグランド・チャンピオンだと考えている。私は持論を引っ込めてはいない」と語った。
トランプ氏は大統領選ではしばしば、中国が人民元を対ドルで低く抑えて輸出を促進、米製造業の職を「盗んでいる」と批判。ただ大統領就任初日に中国を為替操作国に認定するという約束は果たさなかった。