核問題で北朝鮮に制裁で「しつけ」する中国 一方で対話も継続
2月20日、中国は北朝鮮からの石炭輸入を停止すると発表し、同国を厳しく鞭打ったが、対話ルートを完全に断ってしまう様子は見られない。写真は、北朝鮮の弾道ミサイル発射実験を伝えるテレビ画面。ソウルで12日撮影(2017年 ロイター/Kim Hong-Ji)
中国は北朝鮮からの石炭輸入を停止すると発表し、同国を厳しく鞭打った。しかし対話ルートを完全に断ってしまう様子は見られず、核問題の解決に向けて外交努力を続けているのが実情だ。
中国の北朝鮮専門家らによると、金正恩朝鮮労働党委員長が核問題の平和的解決に一向に前向きな姿勢を示さず、反抗的態度を続けていることに、中国政府もうんざりしている。北朝鮮に厳しく対峙するよう、米国から圧力を掛けられてもいる。
中国共産党系のタブロイド紙、環球時報は20日の社説で、石炭輸入の停止措置について、北朝鮮の核開発を止めさせるために中国が国際社会と協力していく決意を示したものだと評価。ただ、対北朝鮮政策が根本的に変わるわけではないとも論じた。
「国連の制裁には加わったが、中国社会の北朝鮮への友情は変わらぬままだ。中国の制裁は核兵器開発だけを標的にしたものであり、我が国は韓国の北朝鮮に対する政治的妄想には断固として反対する」としている。
妄想とは、金正恩氏の異母兄、金正男氏が殺害された事件を巡り、中国が北朝鮮を罰するために石炭輸入を停止した可能性があるという韓国メディアの報道を指している。
複数の中国専門家によると、石炭の輸入停止による北朝鮮への経済的影響は甚大で、北朝鮮は交渉のテーブルに着かざるを得なくなるかもしれない。中国は昨年、北朝鮮から約18億9000万ドル相当の石炭を輸入。これは同国からの輸入総額25億ドルの大きな部分を占めている。
延辺大学・南北朝鮮センターのJin Qiangyiディレクターは輸入停止について「従来のしきたりを破る非常に厳しい措置だ。中国が北朝鮮の最近の弾道ミサイル発射実験をいかに不快に感じたかが分かる」と話す。