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原子力アメリカとイラン、重水貯蔵量めぐりIAEA理事会で対立 核合意後初
11月17日、国際原子力機関(IAEA)の理事会で、イランの重水貯蔵量をめぐり米国とイランが公の場で初めて衝突した。欧米など6カ国とイランとの核合意では、重水貯蔵量の上限を130トンと規定している。写真はウィーンで昨年5月撮影(2016年 ロイター/Heinz-Peter Bader)
国際原子力機関(IAEA)の理事会で17日、イランの重水貯蔵量をめぐり米国とイランが公の場で初めて衝突した。欧米など6カ国とイランとの核合意では、重水貯蔵量の上限を130トンと規定している。
重水は、原子炉の減速材として用いられる。IAEAは、イランが今年この規定量を2回超過したと指摘、核合意に対する各国の支持を損なう恐れがあると警告した。
米国のローラ・ホルゲートIAEA担当大使は「イランは合意事項をすべて厳格に守らなければならない」とする声明を発表した。
核合意文書では、イランは必要以上の重水を貯蔵してはならないとしたうえで、その必要量は130トンと推定される、としている。欧米諸国がこの130トンを貯蔵量の上限と見なす一方、イランの解釈がこれとは異なることが対立の背景だ。
IAEAによると、イランは重水貯蔵量を130トン未満に抑えるために一部の国外搬出に向けて準備している。しかしホルゲート氏は「実際に国外に搬出することなく、この重水は売却用だと説明するだけでは合意を順守していることにはならない」と指摘した。
イランのレザ・ナジャフィIAEA担当大使は、非難の論点が明確ではないと反論。同氏は記者団に、イランはIAEAに当初報告した5トンを上回る重水の輸出を準備していると述べ、「合意文書では、イランが必要とする量を130トンと推定している。『推定』の意味を誰か教えてくれ」と訴えた。