草原のゲルに手紙を届ける画期的な「住所」特定システム
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<英単語3つの組み合わせで地点を示し、住所なしでも郵便を届けられる新発想のシステムをモンゴルが導入へ>(モンゴルでは住所がある家に住む人はほんの一部)
ガンホヤグ・チュルーン・フタグトは、モンゴルの財務副大臣を務めたこともあるひとかどの人物。なのに首都ウランバートルの自宅には、いわゆる「住所」がない。そのため、個人的な郵便物は職場で受け取っている。
彼がCEOを務める金融持ち株会社アルド・ホールディングズは、半官半民の郵便事業会社であるモンゴル郵便の株主に名を連ねている。それでも会社の住所はない。ただし名の知れた大会社なので、郵便局が場所を間違うことはない。
実は、家や会社に住所がないというのはモンゴルではよくある話。フタグトいわく、ウランバートルという町は「有機的」に成長を続けており、名前のない街路も多ければ、建物に番地も付いていない。郊外に行くとゲルと呼ばれる伝統的なテント式の住居で暮らす人も多く、この場合ももちろん、住所はない。
遊牧民に郵便物を配達する際には「~さんの家はどこですか」と散々聞いて回らなければならないし、届くかどうかは運次第だ。
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そんな郵便事情も、イギリスのホワット3ワーズ社のおかげで大きく変わりそうだ。同社は全世界のすべての場所を3つの英単語を使って表す方法を編み出した。
まずは地球の表面を3メートル角の区画に格子状に分割。計57兆個の区画それぞれに英単語を3つつなげた「住所」を割り当てた。例えば、彼らのロンドン本社の入り口は「index.home.raft.」だし、ニューヨークのセントラルパークの南西の角は「cute.seated.joke.」となる。