最新記事

シリア

シリアの子どもたち「僕は捕らわれています。助けて」 ポケモンGOを使い窮状訴え

2016年7月25日(月)18時19分

7月22日、世界的な大ヒットとなったスマホゲーム「ポケモンGO」の人気を利用して世界の注目を集め、5年に及ぶ内戦に苦しむ子どもたちの窮状を訴える試みが、シリアの反体制派によって行われた。写真はシリアの都市で、ポケモンの絵を掲げて支援を求める子どもたち。西側の支援を受ける活動家や反体制派の統一組織である「シリア国民連合」によって22日に公開された。(2016年 ロイター/Revolutionary Forces of Syria Media Office)

 世界的な大ヒットとなったスマホゲーム「ポケモンGO」の人気を利用して世界の注目を集め、5年に及ぶ内戦に苦しむ子どもたちの窮状を訴える試みが、シリアの反体制派によって行われた。

 包囲されたシリアの都市で、ポケモンの絵を掲げて支援を求める子どもたちの写真が、西側の支援を受ける活動家や反体制派の統一組織である「シリア国民連合」によって公開された。

 これは、スマホのカメラを使って可愛らしいモンスターを現実世界で探し歩くゲームアプリ、ポケモンGOの成功に乗じる試みだ。

 「ポケモンを探しているなら、シリアで見つけられる」。シリア国民連合の広報部門、シリア革命軍(RFS)メディア・オフィスはツイッターでこう述べた。

 多くのシリア人は、世界が同国の内戦を無視していると感じている。この内戦によって25万人以上が死亡、人口の半分が移住に追い込まれ、数十万の人々が政府軍か反体制派のいずれかに捕らわれている。

 ポケモンのキャラクター「ピカチュウ」の絵を手にした子どもは、「僕は東ゴータのドウマで捕らわれています。助けて」とのメッセージを掲げた。

 ドウマは首都ダマスカス近郊にあり、政府軍に包囲されている。国連によると、ドウマとその近郊には何万人もの民間人がおり、日常的に爆撃が行われている。

 反政府派もまた、シリア北部の政府軍が支配する都市を包囲しており、政府軍が支配するアレッポとダマスカス近郊にロケットや迫撃砲を撃ち込んでいる。

[22日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

IMF、日本の財政措置を評価 財政赤字への影響は限

ワールド

プーチン氏が元スパイ暗殺作戦承認、英の調査委が結論

ワールド

プーチン氏、インドを国賓訪問 モディ氏と貿易やエネ

ビジネス

米製造業新規受注、9月は前月比0.2%増 関税影響
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させられる「イスラエルの良心」と「世界で最も倫理的な軍隊」への憂い
  • 3
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 4
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 5
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 6
    「ロシアは欧州との戦いに備えている」――プーチン発…
  • 7
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 8
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 9
    【トランプ和平案】プーチンに「免罪符」、ウクライ…
  • 10
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 4
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 7
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 10
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中