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パキスタンアメリカの無人機殺人を告訴する!
米軍の無人攻撃機の犠牲になったパキスタン人の遺族たちが、攻撃中止を求めてアメリカ相手に訴訟を起こし始めた
行き場のない怒り 無人機攻撃でパキスタン市民の反米感情は高まるばかり(ペシャワル、5月13日) K. Pervez-Reuters
彼らには、他の選択肢はほとんどなかった。パキスタンの北ワジリスタンおよび南ワジリスタン地域で米軍が展開する無人機攻撃の犠牲になった人々の遺族が、アメリカ政府を相手取って法廷で戦おうと立ち上がり始めた。
遺族らはこれまで大規模な抗議デモを行ってきたが、効果はなかった。パキスタン政府は同盟国であるアメリカに無人機攻撃の中止を求めることもできるが、遺族たちの働きかけも空しく何の進展も見られない。それもそのはず、パキスタン政府は表向きは無人機攻撃を繰り返し非難しているが、裏では青信号を出し続けている。
もううんざりだ、と投げやりになった遺族は、過激派勢力に加わることすら考えるようになる。もちろん、それで何かが変わるわけではない。
そんな行き詰った状況の中、遺族の一部は法廷という場に目を向け始めた。
カリーム・カーンは、アメリカ政府を告訴した初のパキスタン人だ。09年に兄弟と息子を無人機攻撃で亡くしたジャーナリストのカーンは、弁護士を雇い、CIA(米連邦捜査局)の元イスラマバード支部長であるジョナサン・バンクスに対して5億ドルの損害賠償を請求。無人戦闘機は正確に標的を狙う力があり、一般市民を巻き添えにはしないというアメリカ政府の主張に、カーンは断固として挑む構えだ。
オバマ政権になってから攻撃が急増
もっと最近の例では、無人機攻撃が承認された当初、CIAの顧問弁護士を務めていたジョン・リッツォに対する訴訟がある。イスラマバードの弁護士チームは先ごろ、一般市民が殺害されたことが分かっている最近の無人機攻撃20件以上から証拠を集めていると発表した。リッツォは罪のない一般市民の殺害に加担したと、アクバルは訴えている。弁護士チームを率いるミルザ・シャーザッド・アクバルは、リッツォが罪なき一般市民の殺害に加担したと訴えている。
アメリカの無人機攻撃は04年、ジョージ・W・ブッシュ前大統領の下で開始された。しかし攻撃が本格化したのはオバマ政権になってからで、とりわけ08年からパキスタンの部族地域で急増。今ではイエメンやソマリアにも拡大している。
アメリカがこうした国々と戦争状態にあるわけではないことからも、無人機攻撃の合法性は非常に曖昧だ。「これはニュルンベルク裁判のようなもの。違法な命令に従った者は、罪に問われるべきだ。無実の人を殺せば、それは殺人だ」と、アクバルはメディアに語っている。