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南アフリカ「伝書バトより遅い」ネット接続に変化
ハトは2時間で100キロ離れた場所へ4GBのメモリースティックを届けたが──
圧勝 データ送信競争を制した伝書バトのウィンストン Rogan Ward-Reuters
南アフリカはアフリカ経済の牽引役として注目されているが、インターネット環境の整備はかなり遅れている。通信料は高いくせに、腹が立つほどスピードが遅い。
その良い例が、昨年9月にあるIT企業が行った実験だ。インターネット回線と、ウィンストンという名の伝書バトでは、どちらが速くデータを送れるか競うというもの。大方のネットユーザーの予想どおり、レースはウィンストンの圧勝だった。ウィンストンは約2時間で100キロ離れた場所へ4GBのメモリースティックを届けたが、同じ時間内に南アの通信大手テルコムのADSL回線で送信できたデータは全体の4%だった。
だが変化の兆しはある。海底ケーブルの新設やプロバイダーの増加によって、ブロードバンド加入者数はこの1年で50%増加。ネットユーザー数も09年は15%増え、今年も同程度の増加が見込まれる。
とはいえインターネット加入者数は、まだアフリカで第4位。これまで庶民にとってインターネットは高嶺の花だったが、一方で携帯電話のネット接続は急成長している。携帯のデータ通信料は世界有数の安さで、携帯の普及率は100%に近い。南アのインターネットは、携帯を通じてマスメディアに成長するかもしれない。
*グローバル・ポスト特約
GlobalPost.com
[2010年4月28日号掲載]