最新記事

南アフリカ

「伝書バトより遅い」ネット接続に変化

ハトは2時間で100キロ離れた場所へ4GBのメモリースティックを届けたが──

2010年4月27日(火)16時08分
エリン・コンウェイスミス

圧勝 データ送信競争を制した伝書バトのウィンストン Rogan Ward-Reuters

 南アフリカはアフリカ経済の牽引役として注目されているが、インターネット環境の整備はかなり遅れている。通信料は高いくせに、腹が立つほどスピードが遅い。

 その良い例が、昨年9月にあるIT企業が行った実験だ。インターネット回線と、ウィンストンという名の伝書バトでは、どちらが速くデータを送れるか競うというもの。大方のネットユーザーの予想どおり、レースはウィンストンの圧勝だった。ウィンストンは約2時間で100キロ離れた場所へ4GBのメモリースティックを届けたが、同じ時間内に南アの通信大手テルコムのADSL回線で送信できたデータは全体の4%だった。

 だが変化の兆しはある。海底ケーブルの新設やプロバイダーの増加によって、ブロードバンド加入者数はこの1年で50%増加。ネットユーザー数も09年は15%増え、今年も同程度の増加が見込まれる。

 とはいえインターネット加入者数は、まだアフリカで第4位。これまで庶民にとってインターネットは高嶺の花だったが、一方で携帯電話のネット接続は急成長している。携帯のデータ通信料は世界有数の安さで、携帯の普及率は100%に近い。南アのインターネットは、携帯を通じてマスメディアに成長するかもしれない。

*グローバル・ポスト特約
GlobalPost.com

[2010年4月28日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

IMF、経済成長予測を大幅に下方修正へ 世界的な景

ビジネス

ECB理事会後のラガルド総裁発言要旨

ビジネス

トランプ氏、FRBに利下げ要求 パウエル議長解任「

ビジネス

金融政策変更の差し迫った必要なし、関税の影響見据え
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気ではない」
  • 3
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判もなく中米の監禁センターに送られ、間違いとわかっても帰還は望めない
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「話者の多い言語」は?
  • 5
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 6
    米経済への悪影響も大きい「トランプ関税」...なぜ、…
  • 7
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
  • 8
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 9
    金沢の「尹奉吉記念館」問題を考える
  • 10
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 1
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 2
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 3
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 4
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 5
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 6
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 7
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 8
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 9
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 10
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 9
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中