最新記事

インド

ヒンドゥー教の導師にも性スキャンダル続出

2010年4月22日(木)16時32分
サリサ・ライ

ガンジス川もびっくり? 写真は今年2月、12年に1度のヒンドゥー教の祭り「クンブメーラ」 Reinhard Krause-Reuters

 カトリック教会の性的虐待スキャンダルが世間を騒がせているが、聖職者の悪行はカトリックに限った話ではない。インドでも、サドゥー、ババなどと呼ばれるヒンドゥー教の導師に対する疑いの声が広がっている。

 ニューデリーでは先頃、導師のビマナンド・ジ・マハラジ・チトラクートワレが1000人を超える女性に売春させていたことが判明した。客の中には政治家もいたという。

 一方、国外でも有名な導師のニティヤナンダは、ある俳優とのセックス映像が流出して騒ぎに。当初はデジタル修正されたものだと主張していたが、別の俳優と映った第2の映像が出回ると、事実を認めて僧院から逃げ出した。

 詐欺や性的虐待で告発された自称「導師」は大勢いると、告発運動を長年続けるインド理性主義協会のサナル・エダマルク会長は言う。「最近、彼らは襲撃を恐れて黄色の僧衣を着たがらなくなった。奴らは貧乏で無学な人々をだます泥棒や詐欺師にすぎない」

 それでも聖者への信仰を失わない人もいる。ニティヤナンダの信者の1人は「導師は社会の変革について話したが、セックスのない社会にするとは言っていない」と語る。そんな聖職者に人生を導かれるのも考えものだろう。

<追記>
 ニティヤナンダは21日、警察に拘束された。

[2010年4月28日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日産、追浜と湘南の2工場閉鎖で調整 海外はメキシコ

ワールド

トランプ減税法案、下院予算委で否決 共和党一部議員

ワールド

米国債、ムーディーズが最上位から格下げ ホワイトハ

ワールド

アングル:トランプ米大統領のAI推進、低所得者層へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」する映像が拡散
  • 4
    大手ブランドが私たちを「プラスチック中毒」にした…
  • 5
    宇宙の「禁断領域」で奇跡的に生き残った「極寒惑星…
  • 6
    MEGUMIが私財を投じて国際イベントを主催した訳...「…
  • 7
    ヤクザ専門ライターが50代でピアノを始めた結果...習…
  • 8
    配達先の玄関で排泄、女ドライバーがクビに...炎上・…
  • 9
    中ロが触手を伸ばす米領アリューシャン列島で「次の…
  • 10
    コストコが「あの商品」に販売制限...消費者が殺到し…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映った「殺気」
  • 4
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」…
  • 5
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 6
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 7
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 8
    トランプ「薬価引き下げ」大統領令でも、なぜか製薬…
  • 9
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 10
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 6
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 8
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 9
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 10
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中