最新記事

FRB

辣腕バーナンキ議長の再任が濃厚

2009年8月3日(月)16時13分
マイケル・ハーシュ(ワシントン支局)

絶好調 世界の投資家の75%に評価されているバーナンキ Molly Riley-Reuters

 オバマ米大統領は今秋、1期目が終わるバーナンキFRB(連邦準備理事会)議長を続投させるかどうかを決めるとみられている。任期は4年だ。

 サマーズ国家経済会議(NEC)委員長は、昔からFRB議長のポストを望んでいるといわれてきた。一方、バーナンキはオバマの不興を買うのを承知で、オバマ政権のいくつかの政策に反対している。

 例えば、金融サービスの利用者を保護するための消費者金融保護庁の設立は不要だとしている。消費者保護はFRBが担っており、既に融資の新ルールを発表して消費者支援グループとも定期的に会合を行っていると、バーナンキは語る。

 さらに「金融システムの機能が失われるリスク」を監督するのもFRBだと発言。政府の役目とするガイトナー財務長官やサマーズとは姿勢が異なる。

 金融危機をめぐるバーナンキの対応策は広く称賛されており、彼を続投させないことはオバマ政権にとってリスクでもある。世界の投資家を対象にしたブルームバーグの新しい調査では、75%がバーナンキの仕事ぶりを評価。「彼は絶好調だ」と、エコノミストのデービッド・ジョーンズは言う。

 オバマが自分の考えにより近い人間を指名する可能性もある(ホワイトハウスは本誌の取材に対してノーコメント)。しかし総合的にみれば、バーナンキ続投の可能性は濃厚だ。サマーズが夢を実現させるには、4年待たなければならないだろう。

[2009年8月 5日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシアのLNG輸出、今後4年の停滞想定 経済省の悲

ワールド

ブラジル資源大手バーレ、第1四半期純利益9%減 予

ビジネス

韓国LGエナジー、第1四半期は前年比75%営業減益

ワールド

米、ウクライナに長距離ミサイル供与 既に実戦使用
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 9

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 10

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中