ニュース速報

ビジネス

対中関係の緊張、エスカレート望まず=EU大使

2021年05月07日(金)20時12分

 5月7日、欧州連合(EU)のニコラス・シャピュイ駐中国大使は7日、EUは中国との緊張がエスカレートすることを望んでいないと述べた。写真は2018年6月、北京の釣魚台国賓館で撮影(2021年 ロイター/Jason Lee)

[北京 7日 ロイター] - 欧州連合(EU)のニコラス・シャピュイ駐中国大使は7日、EUは中国との緊張がエスカレートすることを望んでいないと述べた。

欧州委員会が、昨年末に合意にこぎ着けた中国との包括的投資協定(CAI)の批准を目指す取り組みを停止していることについて、人々が考えているほど劇的なものではないとの認識を示した。

EUは3月、中国が新疆ウイグル自治区で重大な人権侵害を行っていたとして、1989年以降で初の制裁に踏み切った。中国は疑惑を否定、EUの議員などを標的にした報復制裁を打ち出した。

同大使は記者団に「エスカレートすることは望んでいない。だが、EUは何があっても発言したいことを発言する」と述べた。

欧州委はCAIについて、欧州議会議員を標的にした中国の報復制裁を受け、欧州議会の支持を得ることが困難になるとみている。

同大使は、これについて「状況は人々が考えているとみられるほど劇的なものではない。(中国)商務省と引き続き非常に緊密に連携している」と述べた。

同大使は、中国がEUより先に批准してはならないわけではないとも発言。中国による早期の批准を望んでいるが、欧州議会の承認を得るには「政治的な場」を生み出すことが必要になると発言。

「現時点では、この政治的な場を確保できるか、十分な場を確保できるか判断するのは時期尚早だ」と述べた。

EUの式典で同大使の発言直後にスピーチした中国の秦剛外務次官は、双方が早期の批准を目指すべきだと発言。EUが「客観的かつ理性的な」目で中国を見ることを期待すると述べた。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国・百度のAIチャットボット「アーニー」、ユーザ

ビジネス

中国新築住宅価格、3月は前年比-2.2% 15年8

ワールド

米国防長官、中東の安定強調 イスラエルなどと電話協

ビジネス

中独は共通基盤模索すべき、習主席がショルツ首相に表
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無能の専門家」の面々

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 5

    キャサリン妃は最高のお手本...すでに「完璧なカーテ…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    金価格、今年2倍超に高騰か──スイスの著名ストラテジ…

  • 8

    イスラエル国民、初のイラン直接攻撃に動揺 戦火拡…

  • 9

    甲羅を背負ってるみたい...ロシア軍「カメ型」戦車が…

  • 10

    中国の「過剰生産」よりも「貯蓄志向」のほうが問題.…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 3

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入、強烈な爆発で「木端微塵」に...ウクライナが映像公開

  • 4

    NewJeans、ILLIT、LE SSERAFIM...... K-POPガールズグ…

  • 5

    ドイツ空軍ユーロファイター、緊迫のバルト海でロシ…

  • 6

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 7

    ロシアの隣りの強権国家までがロシア離れ、「ウクラ…

  • 8

    金価格、今年2倍超に高騰か──スイスの著名ストラテジ…

  • 9

    ドネツク州でロシアが過去最大の「戦車攻撃」を実施…

  • 10

    「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    巨匠コンビによる「戦争観が古すぎる」ドラマ『マス…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中