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欧州市場サマリー（20日）

2019年11月21日（木）07時57分

［２０日　ロイター］ - ＜ロンドン株式市場＞　反落して取引を終えた。米中関係の緊迫化で両国が通商合意に至ることに懐疑的な見方が出た。第３・四半期決算が嫌気された欧州ホームセンター大手キングフィッシャーも相場の重しとなった。

トランプ米大統領は米中が通商合意に至らなければ中国製品の関税を引き上げると述べた。また、米議会上院は香港での反政府デモ隊を支援する法案を可決した。米中関係が不安視され、世界的に株式が売られた。ロンドン株式市場ではアジアへのエクスポージャーが高い金融大手ＨＳＢＣが０．７％下落。石油大手のロイヤル・ダッチ・シェルとＢＰのほか工業株も値を下げた。

キングフィッシャーは７．１％安。第３・四半期の売り上げが期待外れの内容だった。

こうした中、中型株では決算が好感された熱処理加工会社ボディコートとソフトウエア会社マイクロフォーカス・インターナショナル、パブ経営のミッチェルズ・アンド・バトラーズが３．７％から５．５％上昇した。

＜欧州株式市場＞　続落して取引を終えた。米中関係の緊迫化が両国の通商協議に打撃となるとの見方から市場心理が悪化した。

米議会上院は、香港の反政府デモ隊を支援する法案を全会一致で可決した。中国はこうした動きを非難。通商政策に左右されやすいＳＴＯＸＸ欧州６００種自動車・部品株指数<.SXAP>と資源株指数<.SXPP>はともに０．４％を超えて下落した。[nL3N27Z5K5][nL3N2801MD]

旅行・娯楽関連株指数<.SXTP>は１．２１％安。個別銘柄では、空港や鉄道駅で食品・飲料販売を手掛けるＳＳＰグループが３．５％下落した。慎重な通期見通しを示したことが不安視された。

ドイツの航空大手ルフトハンザは２．５％下落。労働組合が、ルフトハンザが賃金交渉で譲歩しない限り、書き入れ時のクリスマス時期にストライキを起こすと宣告したことが嫌気された。

＜ユーロ圏債券＞　米中通商協議を巡る懸念から世界的に株式から安全資産とされる債券に資金が流れる動きの中、ユーロ圏では独連邦債が買われ、独１０年債利回りは約３週間ぶりの低水準近辺で推移した。

米議会上院は前日、中国が香港に高度の自治を保障する「一国二制度」を守っているかどうか米政府に毎年検証を求める「香港人権・民主主義法案」を全会一致で可決。上院はこのほか、香港警察に催涙ガスや催涙スプレー、ゴム弾、スタンガンなど特定の軍用品の輸出を禁じる法案も全会一致で可決した。[nL3N27Z5K5]

このほか前日は、トランプ米大統領が米政府が中国と通商問題で合意できなければ対中関税を一段と引き上げると述べた。[nL3N27Z3YR]

コメルツ銀行の金利ストラテジスト、ライナー・ギュンターマン氏は、通商問題を巡る市場心理が作用しているとし、「市場は再びリスクオフ状態に入った」と指摘。「株式が売られ、米国債や独連邦債などの安全資産に対する需要が高まる展開になっている」と述べた。

仏１０年債やオランダ１０年債などを含むユーロ圏の１０年債利回りは過去２営業日は狭いレンジでの動きとなっていたが、この日は３─４ベーシスポイント（ｂｐ）低下。独１０年債利回りはマイナス０．３５６％と、月初から最低水準を付けた。今月に入ってから付けた５カ月ぶり高水準から１４ｂｐ下げた水準。

欧州連合（ＥＵ）の執行機関である欧州委員会はこの日、イタリアとフランスの２０２０年予算案がＥＵ財政規律に違反する可能性があると指摘した。ただ、すぐには修正を求めなかった。[nL3N2803T4]

こうした中、ユーロ圏の救済基金である欧州安定メカニズム（ＥＳＭ）改革が政治問題化しているイタリアが債券市場でやや注目された。[nL3N2802NT]

前日に大きく上昇した南欧諸国の国債利回りはこの日は低下。アナリストは、周辺国国債はリスク資産に対する市場心理の変化に翻弄されやすい状況が続いていると述べた。

イタリア１０年債と独１０年債の利回り格差は現在は約１６４ｂｐ。ナットウエストはこの日に発表した来年の見通しの中で、同利回り格差が向こう６カ月以内に１００ｂｐに縮小しても驚きに値しないとした。

この日はドイツが３０年債を発行。今年の超長期債の発行を締めくくった。

＜為替＞欧州終盤アジア市場終盤コード

ユーロ／ドル　　　 1.1061 1.1068

ドル／円 108.67 108.44

ユーロ／円 120.22 120.01