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米国株式市場は下落、米中の「第1段階」合意が越年も

2019年11月21日(木)07時52分

 11月21日、米国株式市場は、主要株価3指数がいずれも下落して取引を終えた。写真はNY証券取引所のトレーダー、18日撮影(2019年 ロイター/Brendan McDermid)

[20日 ロイター] - 米国株式市場は、主要株価3指数がいずれも下落して取引を終えた。米中通商協議の「第1段階」の合意が来年にずれ込む可能性があるとの報道を受けて懸念が高まった。米連邦準備理事会(FRB)が20日公表した10月29─30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨も市場の支援材料にはならなかった。

FRBは議事要旨で、今後の見通し変更につながる要因についてほとんど示唆しなかった。10月のFOMCでは今年3度目の利下げを決定。今後利下げを休止する可能性があることを示唆していた。[nL3N28042S][nL3N27F4UG]

米上院は19日、中国が香港に高度の自治を保障する「一国二制度」を守っているかどうか米政府に毎年検証を求める「香港人権・民主主義法案」を全会一致で可決した。[nL3N27Z5K5]

これを受け、米中間の緊張が高まることへの懸念から米株市場は下落して始まった。その後、ロイターが専門家やホワイトハウスに近い関係者の話として、米中通商協議の「第1段階」の合意が来年にずれ込む可能性があると報じたことから、3指数は下げ幅を拡大。午後の早い時間に日中安値を付けた。[nL3N280458]

ホライズン・インベストメンツのスコット・ラドナー最高投資責任者(CIO)は「トランプ米大統領は12月15日に対中追加関税の発動を予定している。市場は第1段階の合意がこの日までに成立することを期待してきた」と指摘した。

LPLフィナンシャルのシニア市場ストラテジスト、ライアン・デトリック氏は、S&P総合500種<.SPX>が20日まで、過去30営業日において2日続落していなかったことに言及。市場はとっくに下落しても不思議はなかったと話した。

その上で、香港を巡る米中間の緊張が通商協議の進展に大きな影響を及ぼす可能性に懸念を示した。

この日は幅広い銘柄に売りが出た。S&P総合500種<.SPX>の主要11セクターでは8セクターが下落。上昇したのは公益事業<.SPLRCU>、不動産<.SPLRCR>、エネルギー<.SPNY>だけだった。

貿易動向に敏感な情報技術セクター<.SPLRCT>は0.7%安。フィラデルフィア半導体指数<.SOX>は1.2%下落した。

素材セクター<.SPLRCM>は1.2%安と下落率が8セクター中最大だった。金利動向に敏感な金融セクター<.SPSY>は日中安値からやや持ち直したものの、0.5%安で終了。安全資産とされる国債が買われ、米10年債利回りがさらに低下したことに圧迫された。

個別銘柄では、小売大手ターゲットが14%急伸。ホームセンター大手ロウズも3.9%上昇した。両社とも通期の利益見通しを引き上げたことが好感された。[nL3N2803NI][nL3N2803RL]

一方、アパレル小売チェーンのアーバン・アウトフィッターズは15.2%急落。四半期の売上高が市場予想を下回った。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.36対1の比率で上回った。ナスダックでも1.70対1で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は78億7000万株。直近20営業日の平均は70億3000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 27821.09 -112.93 -0.40 27879.5 27897. 27675. <.DJI>

5 28 28

前営業日終値 27934.02

ナスダック総合 8526.73 -43.93 -0.51 8543.57 8578.2 8468.6 <.IXIC>

7 3

前営業日終値 8570.66

S&P総合500種 3108.46 -11.72 -0.38 3114.66 3118.9 3091.4 <.SPX>

7 1

前営業日終値 3120.18

ダウ輸送株20種 10695.04 -152.59 -1.41 <.DJT>

ダウ公共株15種 855.01 +6.70 +0.79 <.DJU>

フィラデルフィア半導体 1710.14 -20.36 -1.18 <.SOX>

VIX指数 12.79 -0.07 -0.54 <.VIX>

S&P一般消費財 943.00 -2.67 -0.28 <.SPLRCD>

S&P素材 371.81 -4.45 -1.18 <.SPLRCM>

S&P工業 684.10 -5.14 -0.75 <.SPLRCI>

S&P主要消費財 632.24 +1.16 +0.18 <.SPLRCS>

S&P金融 492.26 -2.47 -0.50 <.SPSY>

S&P不動産 239.81 +0.07 +0.03 <.SPLRCR>

S&Pエネルギー 432.61 +4.44 +1.04 <.SPNY>

S&Pヘルスケア 1128.87 -0.97 -0.09 <.SPXHC>

S&P通信サービス 176.25 -1.41 -0.79 <.SPLRCL>

S&P情報技術 1525.92 -11.12 -0.72 <.SPLRCT>

S&P公益事業 319.57 +1.99 +0.63 <.SPLRCU>

NYSE出来高 10.67億株 <.AD.N>

シカゴ日経先物12月限 ドル建て 23145 + 5 大阪比 <0#NK:>

シカゴ日経先物12月限 円建て 23135 - 5 大阪比 <0#NIY:>

(S&Pセクター別指数は関連コンテンツでご覧ください; リフィニティブデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります)

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