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英公的部門財政収支、8月は予想大幅に上回る赤字
[ロンドン 21日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が発表した8月の公的部門財政収支(国有銀行除く)は67億5300万ポンドの赤字で、赤字幅はエコノミストの予想(34億ポンド)を大幅に上回った。税収の低迷や欧州連合(EU)予算向けの支出などが影響した。
前年同月は43億4500万ポンドの赤字。8月に赤字が前年比で拡大するのは3年ぶり。
2018/19年度入りから5カ月(2018年4─8月)の公的部門財政収支は178億ポンドの赤字で、前年同期から赤字幅が30.5%縮小。7月以前の赤字額が下方改定されたことが寄与した。
ハモンド財務相は、支出余地を確保するため赤字削減に注力する方針をあらためて示し「良い進展ではあるが、公共サービスや将来に投資できるよう、(赤字削減)努力を継続する必要がある」とツイッターに投稿した。
8月は税収が前年比1.6%の増加にとどまる一方で、支出は前年比5.4%増加。EU予算への拠出額が、非常に低水準だった前年同月に比べ6億ポンド増加したことや、年金関連の支出が前年比3.0%増加したことが影響した。
4─8月は税収が4.0%増加する一方、支出は1.9%の増加にとどまった。
パンテオン・マクロエコノミクスのエコノミスト、サミュエル・トゥームズ氏は、8月の税収の伸び鈍化が、年次予算演説を準備するハモンド財務相を若干不安にさせる可能性があるものの、メイ首相が約束した医療サービス予算拡大のための増税は回避できるとの見方を示した。
英国の財政赤字は、2010年にオズボーン財務相(当時)が数カ年の赤字削減プログラムに着手した時は国内総生産(GDP)比10%近くだったが、今年は2%を下回ると予想されている。