ニュース速報

ビジネス

ECBの資産買い入れ、融資への効果は薄い=調査

2016年04月19日(火)20時57分

4月19日、ECBが発表した調査結果によると、ECBの資産買い入れプログラムが銀行の利益に打撃を加える一方で、融資環境を緩和する効果は薄いか縮小していることが分かった。フランクフルトのECB本部で3月撮影(2016年 ロイター/KAI PFAFFENBACH)

[フランクフルト 19日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が19日発表した調査結果によると、ECBの資産買い入れプログラムが銀行の利益に打撃を加える一方で、融資環境を緩和する効果は薄いか縮小していることが分かった。

ユーロ圏内の銀行141行を対象に3月に調査した。資産買い入れプログラムをめぐり、ECBのドラギ総裁に対する批判が強まる可能性がありそうだ。

調査によると、同プログラムの結果、3月までの6カ月で半数をやや上回る銀行が融資基準を緩めたと回答。これは昨年10月時点の調査とほぼ変わらない割合だ。

資産買い入れプログラムにより、適用金利といった融資に課される条件は緩和されたもののの、効果はこれまでの調査時点に比べ弱まったもようだ。

また、各行は同プログラムの結果として、純利ざやが縮小していると回答した。

銀行の81%はECBのマイナス金利の結果として純金利収入が減少したと報告した。

<住宅ローン審査を厳格化>

調査では、ユーロ圏の銀行が住宅ローンの審査基準を厳格化していることが分かった。第2・四半期もこの傾向は続く見通しだという。

調査によると、内部基準を厳しくしていると答えた銀行は4%純増した。融資に対しより詳しい審査を求める欧州連合(EU)指令が背景とみられる。銀行のリスク許容度がやや低下していることも一因。

国別で見ると、基準を厳しくしたのはオランダとドイツで、イタリアとスペインでは緩和された。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:またトランプ氏を過小評価、米世論調査の解

ワールド

アングル:南米の環境保護、アマゾンに集中 砂漠や草

ワールド

トランプ氏、FDA長官に外科医マカリー氏指名 過剰

ワールド

トランプ氏、安保副補佐官に元北朝鮮担当ウォン氏を起
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたまま飛行機が離陸体勢に...窓から女性が撮影した映像にネット震撼
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    「何も見えない」...大雨の日に飛行機を着陸させる「…
  • 8
    クルスク州のロシア軍司令部をウクライナがミサイル…
  • 9
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 10
    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 4
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 5
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中