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中国、米国産大豆を大量調達 首脳の「休戦合意」後初めて
[シカゴ 12日 ロイター] - 中国が12日に150万トン以上の米国産大豆を購入したことが取引業者の話で明らかになった。米中首脳が今月1日に通商戦争の「休戦」で合意してから初めての大規模な購入となる。
トランプ米大統領は前日、中国は「膨大な量」の米国産大豆を購入していると述べていた。
中国の国有企業が購入した米国産大豆は5億ドル以上に相当する。トランプ大統領が是正を求めている431億ドルに上る対中貿易赤字の削減にはほとんど寄与しない額だが、次回の米中通商協議に向けて中国側が善意を示した形となった。
シカゴ商品取引所で大豆先物(期近)
ある欧州取引業者によると、大豆を購入したのは国有企業の中国儲備糧管理集団有限公司(シノグレイン)と中糧集団(コフコ)だった。売り手には穀物メジャーの米カーギル[CARG.UL]と仏ルイ・ドレフュス[AKIRAU.UL]や米農業組合CHS
この業者は、中国が計250万─300万トンの米国産大豆の購入を求めていたと明かした。
カーギルとCHSはコメントを差し控えた。ドレフュスはコメントの求めに応じていない。
この日の取引について詳しい米トレーダーは、中国国有企業は1─3月に出荷予定の大豆貨物を12個以上購入したと述べた。別のトレーダーは、12日午後までに約30個の大豆貨物が取引されたとした。
前出のトレーダーは「中国は朝一番で購入していた」と語った。
ただ、商品取引業者やアナリストなどは、中国が購入を大幅に増やさない限り、大豆価格のさらなる上昇を見込むのは難しいと指摘する。
シカゴのZaner Ag Hedgeの首席市場ストラテジストは「購入がこれ以上増えないなら失望感は大きく、大豆在庫が少なくとも2億ブッシェル積み上がることになる」と指摘した。
中国は米関税措置に対する報復措置として7月6日に米国産大豆に対し25%の輸入関税を導入。同関税は現在も適用されている。
中国は米国産大豆の最大の輸入国で、昨年の輸入は米国の総輸出の約60%に相当し、金額ベースで120億ドルを超えた。ただ今年に入ってからはアルゼンチンとブラジルへの依存度を高めている。
*内容を追加しました。
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