ムハンマド冒涜でフェースブック遮断

AP通信によるとパキスタン政府は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のフェースブックの利用者がイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画投稿を呼びかけるグループを立ち上げたのに抗議して、同SNSへの接続を遮断するよう国内プロバイダーに命じた。
「みんなでムハンマドを描く日」と名付けられたこのグループは、お笑い専門のCATV局コメディー・セントラルが先月、ムハンマドが登場する番組内容の一部を自己検閲したことに抗議して作られた。自己検閲の対象となったのは、熊の着ぐるみを着たムハンマドを登場させたアニメ番組『サウスパーク』。局は放送前に音声の一部を消すなどの修正をした。
フェースブックのこのグループはパキスタンや他の国で非難の的だ。ムハンマドの肖像画は偶像崇拝に通じるとしてイスラム教では禁じられているからだ。
パキスタンでは5月19日、フェースブックへの接続遮断を求めていたイスラム法律家グループの要求を裁判所が認め、政府に接続遮断を命じた。
南部の都市カラチでは約2000人の女子学生が、こうした内容を容認するフェースブックをボイコットするよう要求するデモを行った。近くでは数十人の男子学生によるデモも行われていた。預言者への冒涜に対しイスラム聖戦を呼びかけるポスターを掲げた参加者もいた。
パキスタンの宗教問題相は、今回の接続遮断は一時避難的な手段で、根本的な解決のためには、イスラム教国が集まって預言者の絵の出版をいかに防ぐかを話し合うべきだと提案した。
フェースブックの件では、パキスタンは絵の出版自体を禁じられたわけではなく、よその国で出回っている絵をパキスタンからは見られないようにしただけ。最初から勝ち目はない気もする。
──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2010年05月19日(水)11時38分更新]
Reprinted with permission from FP Passport, 20/5/2010. © 2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.
米原油流出は核爆弾で止めろ!
米海軍潜水艦の元乗組員でコロンビア大学で核政策を研究しているクリストファー・ブラウンフィールドが、メキシコ湾の原油流出の解決策について、奇妙なブログを「デイリー・ビースト」のサイトに掲載した。
メキシコ湾でBPの原油流出が起きたその日、私は直感した。核で油井をふさげばいいと。
本当か? それが彼の直感だったのか? 核兵器だって? ブラウンフィールドはこうも書いている。オバマはこの作戦を使わないだろう、なぜなら彼の世界的な反核政策にとって「問題」が生じるから、と。
私は核不拡散の専門家ではないが、アメリカ沖80キロで核兵器を爆発させることが「問題」になるであろう理由は、上記以外にいくつか思い付く。いずれにせよブラウンフィールドは、軍が関与する場合は通常兵器だけを使ったほうが効果的に油井をふさぐことができるかもしれない、と感じているようだ。
次も興味深い。
木曜日(13日)、核をぶち込むという私の直感が正しいと確認できた。ソ連軍が1966年以降、海底の油田やガス田からの流出を食い止めるために核爆弾を4回使ったと、CNNが報じたのだ。
おかしな話だ。この件については、わがフォーリン・ポリシー誌の寄稿者ジュリア・ヨッフェが詳しく説明している。
ロシアで最も売れている日刊紙コムソモリスカヤ・プラウダによると、ソ連時代には原油などの流出は控えめな地下の核爆発でふさがれていた。考え方は単純で、「地下爆発が岩を動かし、圧力を掛け、最終的には油井をせき止める」という。
そう、実に単純なのだ! 実際、油田の大惨事に対処するため、石油輸出大国のソ連はこの方法を5回使った。最初は1966年9月30日、ウズベキスタンの地下1.5キロで、広島級原爆の1.5倍の爆発を起こした。
また、地下ガス貯蔵スペースを作ったり運河を建設するといった日常的な作業のため、ソ連では169回も地下核爆発が起こされたと、同紙は伝えている(太字は引用者)。
環境上の大惨事に直面したとき、「ソ連なら今回の事故にどう対応するか」というのは、必ずしも私が最初に知りたいことではない。だが事態が深刻になっていることは確かだ。
──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2010年05月18日(火)12時01分更新]
Reprinted with permission from FP Passport, 19/5/2010.©2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.
イラクがW杯テロを防いだ?
この発表のタイミングと内容は、かなり怪しい。
来月のサッカー・ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会に対するテロ計画に関与したとして、サウジアラビア人のアルカイダ系メンバーをイラク治安部隊が拘束した。イラク軍のカシム・アル・ムサウィ報道官が17日発表した。ムサウィは詳細を明かさず、証拠を示していないため、事実関係を確認することはできない。
サウジアラビア人のテロ計画関与を明言したこの発表は、同国のターキ・アル・ファイサル王子が、イラク首相が3月の総選挙を「乗っ取った」と非難した2日後に行われた。
イラク首相府の監督下にあるムサウィ報道官によると、拘束されたアブドラ・アザム・アル・カフタニはサウジアラビアの元陸軍中尉。「彼はナジャフとカルバラの聖廟を爆破しようと計画していた」と、バクダッドでの記者会見でムサウィは述べた。
「そのうえW杯開催中に南アフリカでテロを起こそうとしていた。アルカイダの中央組織がウサマ・ビンラディンの側近アイマン・アル・ザワヒリと連携してもくろんだ計画だ」
もしそれが本当だとしても、イラク当局はテロの脅威を南アフリカに通報しなかったらしい。容疑者が2週間前に捕まっているのにもかかわらずだ。近ごろ評判の芳しくないイラク政府は、名誉挽回のために「われわれがW杯を救った」と自慢しても悪くないのではないか。
──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2010年05月17日(月)14時04分更新]
Reprinted with permission from FP Passport, 18/5/2010.© 2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.
サルコジ「ユーロ離脱」の脅しは本物か

中央は、ギリシャのパパンドレウ首相(2月11日)
Yves Herman-Reuters
確かにそれは、ニコラ・サルコジ仏大統領の発言を聞いたというスペインのホセ・ルイス・サパテロ首相の話を、スペインの全国紙パイスが匿名の情報源から聞いたとして引用し、それをさらに英ガーディアン紙が引用したという信憑性に欠ける話だ。それでも、欧州中央銀行(ECB)を驚かせるには十分過ぎた。
スペインのパイス紙は、ギリシャに対する1100億ユーロの支援を決定した5月7日のEU首脳会議で、フランスのサルコジ大統領が驚くべき脅しに訴えたと伝えた。5月12日にサパテロが、自ら率いる社会労働党幹部の集まりで脅しの詳細を明かしたという。
パイスが引用したある情報源によれば、サルコジは「すべての国がギリシャ支援のために譲歩」することを要求。協力が得られなければ「ユーロ圏の一員であることを考え直す」と言ったという。「サルコジは拳でテーブルを叩き、ユーロを離脱すると脅した」と、サパテロとの会合に出席したある社会労働党幹部は言う。「ドイツのアンゲラ・メルケル首相はそれで折れざるを得なくなり、ギリシャ支援の合意ができた」
サパテロとの会合に出席した別の情報源はパイス紙に、「フランスとイタリアとスペインはドイツに対して共同戦線を張った。そしてサルコジは、(欧州統合に力を合わせてきた)仏独枢軸の解消も辞さないと迫った」
さらに別の会合出席者によれば、サルコジはこうも言ったという。「この大事なときに連帯責任を負えない欧州なら、ユーロを維持する意味はない」
ユーロは5月14日、ドルに対して18カ月ぶりの安値をつけた。
──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2010年05月14日(金)11時19分更新]
Reprinted with permission from FP Passport, 17/5/2010.© 2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.
撃たれたタイの「赤い反乱将校」の素顔
タイでは、現政権の退陣を求める赤シャツ隊と政府の間で一触即発の緊迫した状況が続いているが、ついに収拾のつかない事態に陥ってしまったようだ。
5月13日、国軍がバリケードに囲まれた反政府集団の占拠地の締め出しを計画するなか、政府側から反政府集団に寝返った将校が首都バンコクで銃撃された。撃たれたのはカティヤ・サワディポン陸軍少将(58)。「セー・デーン(赤い参謀)」という別名でも知られ、反政府運動の指導者的な人物だ。インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙との取材中に、1発の銃弾を頭部に受けたという。
結論を急ぐ前に、ワシントン・タイムズ紙が掲載したカティヤの興味深いプロフィール記事を見てほしい。記事を読む限り、カティヤはごろつきのような人物に思える。CIA(米中央情報局)と共同で働いたことがあると主張し、タイ政府に対するテロ攻撃に関与したとの非難も受けている。
カティヤ陸軍少将は2カ月にわたって政府とにらみ合いを続ける赤シャツ隊の有名人だ。抗議活動の参謀から広報官、コーチまでさまざまな役割を演じている。ベストセラー作家でもあり、テレビにも出演している。一方では、残忍な民兵組織のメンバーという顔を持ち、軍時代の部下を含め忠誠を誓う兵士たちを率いている。
カティヤは「ローニン・ウォーリアーズ」と呼ばれる暗殺部隊に関する事情聴取のため、指名手配されている。同部隊は赤シャツ隊を支持する謎の組織で、軍や市街地を標的とした爆破攻撃を行ったと政府から名指しされている。部隊の名前の由来は、日本語で主人のいないサムライを意味する「浪人」だ。
彼は4月10日夕方に行われたデモ隊と軍の衝突について「人々に対して戦車や装甲車両を使うなど、ホモの考えることだ」と語り、軍の行動を笑い飛ばした。「夜ではなく、朝か日中に戦うべきだ。しかし軍は、ホモ的な感情に従って行動している」
08年にアヌポン・パオチンダ陸軍司令官からエアロビクスを教える担当を命じられた時には、こう発言している。「あるダンスを準備しておいた。『手榴弾投げダンス』というやつだ」
彼のウェブサイトはこれ。カティヤは頭部ではなく胸を撃たれ、命は取り留めたが重傷を負ったとする報道もある。しかし、ある情報筋がAP通信に語ったところでは、彼はスナイパーに「頭を撃たれた」という。真相が明らかになるまで、当分は目が離せそうにない。
──ブレイク・ハウンシェル
[米国東部時間2010年05月13日(木)9時33分更新]
Reprinted with permission from FP Passport, 13/5/2010. ©2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.


