孤立北朝鮮の不可解な「鎖国」
北朝鮮は、世界からの断絶をさらに深めようとしているかのようだ。在北京の北朝鮮大使館は、外国人へのビザ発給を何の説明もなしに停止した。
韓国メディアの報道によれば、渡航禁止は12月20日から来年2月まで続く見通しだという。AFP通信は、韓国での報道を次のように伝えている。
複数の専門家の見解によれば、北朝鮮は金正日(キム・ジョンイル)総書記の中国訪問を前に厳戒態勢を取っていると、朝鮮日報は伝えた。金は飛行機よりも電車での移動を好むことで知られている。
また、11月に実施されたデノミネーション(通貨呼称単位の変更)で発生した国内の混乱を沈静化するのが(渡航禁止措置の)目的だとみる専門家もいる。
ニュース要約サイト、ナイトウォッチの編集者ジョン・マクレーリーは次のようにコメントしている。
ナイトウォッチが知る限り、外国人の渡航禁止措置は、戦争状態に近い状況でしか発令されなかった。在韓の国連軍司令部との緊張が高まったときや米韓合同軍事演習の最中などの事前予防策だ。あるいは、(解体されたとされる)朝鮮人民陸軍第6軍団の90年代の反乱の際などの国内の情勢不安が広がりを見せたとき、または感染症の拡大阻止を図るときなどに限定されていた。
──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2009年12月17日(金)14時07分更新]
Reprinted with permission from FP Passport, 17/12/2009. © 2009 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.
独裁者におもねるブレアの偽善
トニー・ブレア前英首相は13日、サダム・フセインが大量破壊兵器を開発している証拠がないと分かっていたとしても、フセイン政権を転覆させるためにイラク侵攻を支持しただろうと認めた。
「それでも彼を排除するのは正しいと思ったはずだ。もちろん、その場合は脅威の性質について別の議論を展開する必要があっただろう」。ブレアは今朝放送されたBBCとのインタビューでそう語った。
ブレアは、フセイン排除によってイラクがより民主的な国になるための基礎を築くことができたと主張。近く行われるイラクの総選挙について「この地域にとって何年もの間で恐らく最も意義深い出来事」と表現した。
フセインについては、「彼とその2人の息子が権力を握ったままのほうが良かったとは、とても思えない」と述べた。
しかし、ブレアの(民主主義を広めようとする)ウィルソニアン的原則はアゼルバイジャンには適用されないようだ。彼は今月、同国の化学工場の開所式で演説して15万ドルの報酬を受け取り、独裁者であるイルハム・アリエフ大統領と個人的に面会した。だがブレアは、広く確認されている同国のジャーナリスト迫害についてメディアへのコメントを拒否した。
アリエフのもてなしを受け入れた政界の要人は、ブレアだけではない。米大統領選でオバマの選対本部長を務めたデービッド・プラフは今年2月、同様にアゼルバイジャンを訪問して批判を浴びた。
ブレアの場合、イラク民主化のために進んでイギリス軍を危険にさらし、ありとあらゆる政治的口実を駆使したことを考えると、アゼルバイジャンへの態度は奇妙なほど対照的だ。
──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2009年12月15日(火)12時21分更新]
Reprinted with permission from FP Passport, 16/12/2009. ©2009 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.
オバマが希望した取材で中国編集長降格
中国で最も独立性の高い新聞の一つとされる南方週末の総編集長が、訪中したバラク・オバマ米大統領を単独取材したことで罰を受けた。
11月中旬に中国を訪問していたオバマをインタビューした週刊紙、南方週末の向熹(シアン・シー)総編集長は今週、新任の総編集長の下で働く執行編集長に降格された。中国共産党中央宣伝部の圧力があったと、同紙の3人の従業員は言う。
いずれの従業員も報復を恐れて匿名を希望した。降格人事については中国語サイトでも論争の的になっている。
オバマ政権側は訪中前から、より多くの市民と直接対話したいと希望していた。向の降格は、検閲や情報公開に関する米中の考え方の溝の深さを改めて浮き彫りにした。
「中央宣伝部は間違いなくインタビューを不快に思っていた」と、北京で検閲を監視する中国人ブロガー、安替(アン・ティー)は言う。
■中国外交部は了承したのに
社会問題や汚職に関する調査報道で知られる南方週末とのインタビューは、ホワイトハウス側から名指しで要請したものだった。中国外交部はこれを了承したが、中央宣伝部は認めていなかったようで、南方週末にインタビュー記事の大半を削除させ、その結果同紙の一面には大きな余白ができた。
私の知る限り、オバマのどんな言葉が検閲当局をそれほど激怒させたのか、報道はまだ伝えていない。
北京で中国の大学生との対話集会に出席したオバマは、「私は情報の透明性を重んじる」と言った。だが皮肉なことに、この集会自体もある意味で「検閲済み」だった。ホワイトハウスは集会の全国中継を希望したが、中国当局は許可しなかった。
──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2009年12月14日(月)12時41分更新]
Reprinted with permission from FP Passport, 15/12/2009. ©2009 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.
小沢一郎、世界最大630人の官費旅行?
日本の民主党にとって、旅は軽装ではすまないようだ。12月9日の毎日新聞は以下のように伝えている。
民主党の小沢一郎幹事長は10日から4日間の日程で中国と韓国を訪問するが、寂しい思いをすることはないだろう。中国訪問は党所属国会議員143人と支持者ら計約630人という大所帯で、胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席との会談も予定。個人で11日に訪れる韓国でも、李明博(イ・ミョンバク)大統領との夕食会が予定され、政権交代を内外に印象づける外遊となる......大規模な訪中団を結成することで、小沢氏の政治力をアピールする狙いもありそうだ。
■メガ視察団はアジア重視の表れか
143人と言えば、民主党の国会議員のざっと3分の1。外国旅行のために米議会から100人の民主党議員が一斉にいなくなることを想像してほしい。小沢は、今回の訪中で中国共産党と民主党間の定期的交流組織「日中交流協議機構」についても意見交換をしたい考えだという。
民主党は中国とアジア重視の外交政策を公約に掲げて政権を取った。小沢の巨大視察団は、そのゴールに向けて極めて大きなメッセージを発しているようだ。
<追記>
小沢訪中団に関し一部報道が、参加費は自費と伝えた。14日に小沢事務所に確認すると、小沢以下の国会議員も含め全員が自費と話した。
──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2009年12月09日(水)13時34分更新]
Reprinted with permission from FP Passport, 10/12/2009. ©2009 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.
タミフルは副作用ばかりで効かない?
英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)に発表された研究によると、公開されたデータのなかには、タミフルでインフルエンザの合併症が軽減できるという証拠はないという。イギリスのアンディ・バーナム保健相が新型インフルエンザに対する「最高の防御」と呼んだ薬なのに、だ。研究者たちは、製造元であるスイスのロシュ社のデータを検証しようとしたが、同社はタミフルに関する研究結果の提供を拒否した。
公開されたデータによれば、タミフルにはインフルエンザの症状を1日かそこら短縮する効果はあるかもしれないが、肺炎のような深刻な合併症を防ぐ効果があるかどうかは不明だという。効果がその程度なら、数々の副作用を耐え忍んでまで服用する価値はないかもしれない。タミフルの副作用には、不眠症、吐き気、悪夢、腹痛、頭痛、それに自傷行為を伴う稀な精神神経異常もある。
新型インフルエンザ流行に備える備蓄として、今年ロシュから推定26億5000万ドルものタミフルを購入した世界各国の政府にとって、これは由々しき問題だ。イギリスのある科学者は、いざこの薬を使うか否かを決断するはめになった時、政策決定者が直面することになる事態を、あまり役には立たないが痛快な比喩を使って表現した。
すでに大量の薬を買ってしまった今の状況は、アメリカの銃規制と似ているかもしれない。自宅に銃があれば、ずっと使いやすくなる。だからといって、それが正しい行為ということにはならない。
――ジョルダナ・ティマーマン
[米国東部時間2009年12月08日(水)18時27分更新]
Reprinted with permission from "FP Passport" ,9/12/2009. ©2009 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.


