オバマも呆れるEUの「トップレス病」
米政権は1月31日、5月にスペイン・マドリードで行われる米・欧州連合(EU)年次首脳会議にバラク・オバマ米大統領が出席しないと発表した。これを機に、またもや「オバマはヨーロッパを無視している」との声が高まりそうだ。
今回の決定は理にかなったものだ。オバマは就任1年目に10回の外遊を行い、21カ国を訪問した。ヨーロッパもすでに6回訪れており、今秋にはポルトガルで開かれるNATO(北大西洋条約機構)サミットに出席する予定だ。
とはいえ、今回の決定はタイミングが悪かった。米・EU年次首脳会議の開催地スペインのホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相は4日に訪米する予定で、さぞかし決まりの悪い思いでいるに違いない。
■新設のEU大統領はリーダー失格?
しかしウォールストリート・ジャーナル紙が報じているように、オバマの欠席はある問題を浮き彫りにした。リスボン条約が批准され、前ベルギー首相のヘルマン・ヴァンロンプイがEU大統領(欧州理事会常任議長)に就任した今もなお、アメリカとの対話の窓口が誰なのか米政権が測りかねていることだ。
米政府筋によれば、米・EU年次首脳会議の仕切り役が現EU議長国のスペインなのか、EU本部のあるベルギーなのか明らかでないため、混乱が広がっているという。
米国務省のある高官は、12月にリスボン条約が発効して以来、EUの構造に変化が生じていると指摘した。今回の年次首脳会議は、EU大統領のポストが正式に確立され、EU本部がヨーロッパを代表する窓口として認められてから初のサミットになる。そこで米国務省は、今回の年次首脳会議のまとめ役がEU議長国のスペインのサパテロ首相なのか、ヴァンロンプイEU大統領とジョゼ・マヌエル・バローゾ欧州委員会委員長なのか、EU側に問い合わせていたという。
アメリカが同会議への参加に二の足を踏んだのはこうした混乱が原因だと、別の高官は語った。
ニューヨーク・タイムズ紙は加えてこう報じた。
ヨーロッパの政府関係者は2日、ヴァンロンプイEU大統領とキャサリン・アシュトンEU外相が職務に就くにあたっての業務移行やスタッフ確保に苦戦していることを認めた。その間に、EU議長国のスペインがEUの議題やサミットの計画などで主導権を握り始めた。
元米国務長官のヘンリー・キッシンジャーがかつて問いかけた有名な言葉がある。「ヨーロッパと話したいとき、誰に電話すればいいのだ?」。いまだに、この問いへの答えは見つかっていない。
──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2010年02月02日(火)21時34分更新]
Reprinted with permission from FP Passport, 03/02/2010. © 2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.
ジンバブエに学ぶ2億%インフレの退治法
ジンバブエで、長年の独裁者ロバート・ムガベが大統領、野党指導者モーガン・ツァンギライが首相という連立政権が09年2月に誕生したとき、彼らにハイパーインフレーションを抑えることなどできるはずがないと思った。
経済は完全に崩壊し、去年の今ごろのインフレ率は2億3000万%に達していた。GDP(国内総生産)は内需も外需もあらゆる面でマイナスだった。テンダイ・ビティはこの惨憺たる状況で財務相に就任し、おそらくは世界で最も困難な仕事に着手した。
それから1年も経たない今、彼は進捗状況を報告するためワシントンにやってきた。新自由主義の巨人ミルトン・フリードマンがもし生きていたら、さぞかし鼻を高くしたであろうと思わせる報告だ。
■インフレは完全に収まった。ジンバブエ・ドルの流通を停止し、価値が安定した米ドルや南アフリカのランドなど複数の外貨を使用することにしたおかげだ。09年のインフレ率は1%未満まで低下した。
■通貨供給量は1000%削減し、外国為替市場を事実上閉鎖した。官僚が私服を肥やすための市場と化していたからだ。
■生産設備の稼働率は4%から50%近くに上昇した。食品メーカーや飲料メーカーのなかには、95%というところもある。
■今年のGDP成長率はおそらく4%程度で、10年には6%に達するとビティは予測する。
もちろんすべてがバラ色なわけではない。だがちょっと考えてみてほしい。ジンバブエは、戦争でもないのに10年もマイナス成長を続けた世界初の国。その落下ぶりも世界最速だった。それが、ほぼ平常化したのだ。それどころか、株式市場の時価総額は40億ドルと、アフリカ最大だ。
■独裁者も経済の暴動にはかなわない
今日、人権擁護団体フリーダム・ハウスの催しで講演したビティは、面白い論理でこの復活劇を説明した。経済が崩壊したからこそ、ムガベは連立に同意せざるをえなくなった、というのだ。「他のものなら対処できる。反政府運動なら叩き潰せばいい。だが、経済を黙らせることができる暴力はない」
次は、経済回復をテコに民主化を進める番だ。「経済発展には民主主義が不可欠だ」と、ビティは言う。生活水準の低いアフリカでは、「民主主義なしでは人々の生計を維持することもできない」。
ハイパーインフレーションなど経済との戦いがいかに至難の業に思えても、何より困難なのはやはり政治の戦いなのだ。
──エリザベス・ディッキンソン
[米国東部時間2010年01月26日(火)15時02分更新]
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超能力でルーマニア大統領再選?
オバマ大統領は、08年大統領選で選対本部長を務めたデービッド・プラフを呼び戻した。今年の中間選挙に向けて内政を立て直すためだ。だがオバマが本当に共和党を混乱させたいのなら、ルーマニアの暗黒世界から学んだほうがいいかもしれない。
(ルーマニア大統領選で敗れた)ジョアナ元外相は先週のメディア各社とのインタビューで、昨年12月の決選投票直前に行われたテレビ討論の最中に「負のエネルギー」の波に襲われたと語った。決選投票は現職のバセスク大統領が勝利した。
ジョアナはアンテナ3テレビで、「バセスク陣営のその分野の専門家たちがカメラの右側にいた」と証言。妻ミハエラは「彼はひどい攻撃を受けて集中できなかった」と語った。
ルーマニア国民は当初、ジョアナは負け惜しみを言っているとあざ笑い、バセスクも一笑に付した。だが最近公表された写真で、著名な超心理学者アリオドル・マノレアが選挙期間中にバセスクのそばにいたことが分かったため、バセスクが対立候補に魔法をかけたのではないかとの疑念がわき上がっている。
一連の写真によると、マノレア(リンク先の写真左端)は細身で丸顔にあごひげ、生え際が後退した丸刈り頭が特徴。テレビ討論の前にバセスクの後方を歩いていた。ルーマニア・トランスパーソナル心理学会によると、マノレアはマインドコントロールや予知、催眠術を専門としている。
バセスク陣営はマノレアは選対会議に加わっていなかったと言うが、彼の関与を完全には否定しておらず、なぜバセスクと一緒に現れたかも説明していない。
ひょっとしたらアメリカでも近いうちに、(中間選挙で接戦が伝えられる)アーレン・スペクター上院議員(民主)の後ろを、細身でひげの東欧人が歩いているところが目撃されるかもしれない。
──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2010年01月25日(月)17時39分更新]
Reprinted with permission from FP Passport, 26/1/2010. © 2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.
不倫の子を認知、ハイチ救援へ
08年大統領選に出馬したジョン・エドワーズ元上院議員が21日、ハイチ救援に飛び立った。かつての不倫相手リエル・ハンターとの間に生まれた女児を自分の子と認めた、まさにその日のことだった。
CBSニュースによると、エドワーズがハイチ入りについて事前にホワイトハウスに連絡したところ、ホワイトハウス側は沈黙していたという。
──アニー・ラウリー
[米国東部時間2010年1月21日(木)18時43分更新]
Reprinted with permission from FP Passport, 25/1/2010. © 2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.
オバマはハイチの大統領か
ジョージ・メイスン大学の経済学者タイラー・カウエンは、バラク・オバマ米大統領の政治生命がハイチの混沌に左右されることになりかねないと懸念する。
オバマは今や一期限りの大統領で終わる可能性が高くなった。海外援助は、財政負担が少ない割には不人気だ。(保守派の人気司会者)ラッシュ・リンボーたちがいつもにも増して汚い攻撃を始めていることにお気づきだろうか(たとえばこのサイトによるとリンボーは、アメリカはハイチを救援する必要などないのにオバマは黒人ウケを狙ってやっていると公言している)。人々がオバマは「(内政より)よその黒人を優先している」とささやき始めるのはいつのことか、アメリカ人の民度が試されている。
イラクやアフガニスタンからの撤退が容易ではないように、ハイチから手を引くのもそう簡単ではないだろう。
医療保険改革は難題と思えたかもしれない。いやそれも、温室効果ガス削減のためのキャップ・アンド・トレード方式導入に比べればましだと思った人もいるだろう。だが、ハイチ救援はそれらよりはるかに大きな難題となるかもしれない。何しろこんなことは、誰の計画にもなかったのだから。オバマが多くの支持を得られないのは、この戦いでも同じだろう。多くの民主党系の利益団体も心の中で、オバマがハイチのことなど忘れてくれたらと願っているかもしれない。
夜のニュース番組で大規模な飢餓が中継されれば、オバマのイメージも悪くなる。人口が900万人を超える国家の崩壊を取り仕切る立場とは、いったい何を意味するのだろう。それを思い知らされようとしているのは、日増しに無力さをさらけ出しているハイチの大統領ルネ・プレバルではなく、オバマだ。ハイチの人々が一心に見詰めているのは、オバマ大統領なのだ。
■住民に歓迎される本物の貢献
コラムニストのケビン・ドラムは、左派系の雑誌マザー・ジョーンズのブログで反論する。アメリカがハイチに投じる資源は「金額的にも軍事的にも、政治的に深刻な火種になるほど大きなものにはならないだろう」。
わかりきったことを言うようだが、イラクやアフガニスタンと違って、ハイチの米軍は現地住民から攻撃を受けてもいないし、おおむね歓迎されているようだ。もちろん、アメリカだけでハイチの国家機能を回復したり人道的大惨事を防ぐことなどできない。きっと、他の国々も立ち上がって負担を分担してくれるだろう。
それでも今後の数週間、被災者の想像を絶する苦しみを軽減する上でアメリカが大きな力を発揮できるのは間違いない。国内の政争がその妨げにならないことを祈ろう。少なくとも理想の世界では、アメリカの力はこういうときのためにこそあるのだから。
──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2010年01月20日(水)13時43分更新]
Reprinted with permission from FP Passport, 21/1/2010. © 2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.


