国会で泥酔して投票棄権した議員
英ケント州選出の下院議員マーク・レックレスは、国会議事堂内で同僚と酒を飲んで泥酔したため、国家予算案の投票を棄権したことを有権者に謝罪した(ちなみにレックレスという名前は「無謀な」という意味の単語 reckless と同じ綴り)。
レックレスは、議事堂のテラスで眠り込んだとかタクシーで地元に戻ったとかいう非難を否定し、BBCに次のように語った。
「投票するように誰かに促されたが、当時の状態では適切ではないと思ったことを覚えている。酔っていると自覚するような状況なら、普通は帰宅することにしている。国会議事堂は非常に特別な場所であり、私が言えるのは......この大変恥ずかしい経験を踏まえて、議事堂では二度と飲酒しないつもりだ」
レックレスは、財政法案の2度目の朗読が行われた7月6日夜に酒を飲んでいた。朗読は7日午前2時半まで続いた。
私は酒気帯び投票を支持するつもりはない。だが彼は自分が所属する保守党の財政法案にどう投票するかを決めていたはずだ。それでもタイミングよく挙手することができないと思ったのなら、さぞかしべろんべろんの状態だったに違いない。
キャメロン首相は政府の中心課題に「責任」を掲げている。国会議事堂を学生会館にする考えは毛頭なかったのではないか。
──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2010年07月12日(月)16時54分更新]
Reprinted with permission from "FP Passport", 13/07/2010.©2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.
この夏、冒険の尻拭いは自己負担で

Laurent Capmas-Reuters
フランス議会は現在、フランス人が旅行中に危険な目に遭い、救援された場合にはその費用を自己負担にするという法案を審議している、と英ガーディアン紙が報じた。もちろん、この法案が持ち上がった背景には、ソマリア沖にたびたび出没する海賊たちの存在がある。
旅行者の救援費用を負担することにうんざりしたフランス政府は、法案提出に踏み切った。法案が成立すれば、危険な地域に「正当な動機」もなく故意に侵入したと思われる旅行者に対し、政府は「国外での救援活動にかかった費用のすべてもしくは一部」の返済を求めることができる。
フランス外務省によると、世界中で誘拐やハイジャック、政情不安がはびこるなか、フランス人旅行者の間に「責任をもつ文化」を広めることが法案の狙いだ。救援に伴う緊急帰国費用などを自己負担する可能性を考えれば、人々は軽率に危険地域に踏み込みことはないだろうと、外務省は期待する。もちろん、身代金は自己負担費用に含まれない。フランスは、国家として身代金の支払いに応じることは絶対にないと主張しているからだ。
休暇中にトラブルに巻き込まれた旅行者を助ける場合、その費用は誰が負担すべきか――この議論に火を付けたのは、近年、フランス政府が国外で行っているいくつかの救援活動だ。
昨年は、ソマリア沖でフランス人が乗ったヨットが海賊に乗っ取られ、フランス軍特殊部隊が人質救出に駆り出された。この救出作戦中、人質だったヨットのオーナー、フローラン・ルマソンが銃弾を受けて死亡。ヨットの乗組員たちがこの地域の危険性について再度警告を受けていたにも関わらず航行を続けたと、フランス政府は憤慨した。
■ジャーナリストや救助隊員は例外か
ガーディアンによれば、ドイツには救援費用を請求できるような仕組みがすでにある。昨年は、コロンビアで人質になった女性バックパッカーが、救出時のヘリコプター輸送費用として1万2000ユーロ(当時のレートで約160万円)を政府から請求されている。
面白いことに、フランスは海で遭難した「外国人」の救出費用なら進んで負担するらしい。6月10日、世界最年少のヨット単独世界一周航海に挑戦していたアメリカ人のアビー・サンダーランド(16)がインド洋上で一時行方不明となった際には、フランス領レユニオン島から3隻の船が救出に向かった。フランスとオーストラリアによる共同救出作業には30万ドルかかったが、フランス外務省の報道官はサンダーランドが自己負担すべきとの考えを退け、「海で遭難した人を救うのは国際的な責務」だと述べた。
フランスの法案をめぐっては、ジャーナリストや民間の援助活動家にも適用されるかが争点の一つになっている。野党・社会党の議員は、ジャーナリストは法案の対象として明記されていないとしている。一方、ベルナール・クシュネル外相はケース・バイ・ケースで判断するが、誘拐されたり拘束されたジャーナリストに救援費用を請求するとは考えにくいと語った。
ジャーナリストや援助活動家の仕事に危険が伴うのは明らかだし、彼らを窮地から救うことは公共の利益にかなうと通常は考えられる。昨年8月、ビル・クリントン前米大統領の電撃訪問を受け、北朝鮮が拘束していたアメリカ人記者2人を解放した。彼女たちの救助はアメリカにとって、金正日(キム・ジョンイル)総書記との記念撮影という犠牲を払うに値するものだった。旅行者について、これとは別の基準があるというのは理解できる。アメリカでは、ハイキングで遭難して救助された際の費用が自己負担になることもある。
とはいえ、何を「不可避の危険」と見なすのかを訴訟によって決めることにでもなれば、救援費用より高くつくのではないか。
──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2010年07月06日(火)15時14分更新]
Reprinted with permission from "FP Passport", 07/07/2010. © 2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.
W杯優勝を信じるロシア人って?
もしあなたが筋金入りのワールドカップ(W杯)ファンではなくて、アメリカの星ランドン・ドノバンがピッチを去ってからは試合を見るのもやめてしまったという程度だとしても、ロイター通信の以下の記事には興味を引かれるだろう)。
独立系調査機関の調査によると、ロシア人の8%はW杯でロシア代表が優勝すると信じている。ロシアは、W杯に出場すらしていないのだが。
ロシアは欧州予選でスロベニアに敗退、視聴者数で世界最大のスポーツイベントへの出場権を逃してしまった。ロシア人はプライドを打ち砕かれた。
この調査はロシアのレバダ・センターが、6月18日からの5日間に国内の130都市1600人の成人を対象に行った。
もっとも大半のロシア人は現実を受け入れ、満員のバーで熱狂的にW杯の行方を見守っているという。そして、12月に決まる予定のW杯誘致の成否も。
──クレア・セスタノビッチ
[米国東部時間2010年07月02日(金)15時25分更新]
Reprinted with permission from FP Passport, 6/7/2010. © 2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.
W杯代表罰する腹黒ナイジェリア大統領

Rogan Ward-Reuters
ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会のナイジェリアはひどかった。1勝もできずに1次リーグ敗退と、本当に最悪だった。
ただしここで言いたいのは、その代表チームへの罰則について。グッドラック・ジョナサン大統領は6月30日、ナイジェリア代表チームが今後2年間、すべての国際大会に参加することを禁止した。
ちょっと待て。本気か? 普通なら何かウラがある、と考えるだろう。そう、その通り。実に面白い背景がある。サッカーの代表チームを、ナイジェリアが抱える苦悩の象徴として考えてみるといい。
「スーパーイーグルス(代表チームの愛称)の成績は、ナイジェリア全体を混乱に陥れている現政権の問題を象徴している。試合内容に国の現状が反映されている」と、国外在住のジャーナリストによるニュースサイト、サハラリポーターズのコラムは書いている。
堕落し、まともに統制されず、トレーニング体制がぼろぼろで若い才能を登用できないから選手は高齢化している。だからスーパーイーグルスはファンからも見放され、多くの人が国際大会への参加禁止も当然と受け止めている。
一方のジョナサンはここで、かなり重要な政治姿勢を示そうとしている。彼が大統領に就任したのは5月6日のこと。短い在任期間の中で、ナイジェリアで最も軽蔑され汚職にまみれた政治家たちを摘発し、追放してきた。今回の決定は、現政権が旧弊を一掃するつもりだというさらなる意思表示だ。なんと奥深い。
もちろん、この姿勢が見せかけにすぎないのではないかという疑問はある。少なくともサハラリポーターズのコラムは、その点でジョナサンを信用していない。
びっくりするのは、今回の決定を下したのが大統領だったことだ。6月にカナダで開かれたG8サミット(主要国首脳会議)に、140人もの代表団を引き連れて行った大統領。悪事にまみれた産油国を率いる大統領。米軍需企業ハリバートンや独企業シーメンスから賄賂を受け取ったという友人や政界有力者を逮捕し、起訴する勇気もない大統領。(中略)暴利を貪る与党議員が議会を牛耳る国の大統領----。
ジョナサンが自らの失策を踏まえて、スーパーイーグルスのように2年間、大統領職から退くつもりはあるだろうか? 優れた国政を競うワールドカップがあったら、ジョナサンは代表入りできるだろうか? 私にもよくわからない。
----エリザベス・ディキンソン
[米国東部時間2010年07月01日17時14分更新]
世界一のツイッター大国、日本の弱み
ツイッターが本当にビッグバンを起こしているのはアメリカではなく、日本だった。ツイッターを利用しているネットユーザーの割合は、アメリカでは10%に過ぎないが日本では16%に達している。ブロードバンドの普及率は日米とも似たようなものなのにこんなに差をつけられるとは。
ツイッター社の推計によると、日本のツイート(つぶやき)数は1日800万件近く、世界の総ツイート数の12%を占める。とくにサッカーのワールドカップ(W杯)で盛り上がった先週は、1秒当たり3085件のツイートが飛び交って世界記録を更新した。
だが、日本のツイッター旋風も選挙となると突然、静まり返る。アメリカの有権者にとっては、動画サイトのユーチューブで候補者の討論会を見たりソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で候補者に質問したりするのは当たり前のことだが、日本では政治家がネットを使って選挙運動を行うことは公職選挙法で禁じられている。7月11日に行われる参院選でも、6月24日の公示後はつぶやき禁止。候補者のツイッターは文字通り沈黙してしまった。
■ツイッター社は政治利用へロビー活動?
一方ツイッター社は、ネットでの選挙運動が解禁されるよう世界的に働きかけを行っている。
諸外国では、バラク・オバマ米大統領からベネズエラのウゴ・チャベス大統領まで多くの指導者がツイッターを活用している。先週、サンフランシスコのツイッター本社を訪れたロシアのドミトリー・メドベージェフ大統領も、各国指導者へ向けて初ツイートをつぶやいたと、同社広報担当のショーン・ギャレットは言う。
ツイッター社はワシントンでは代理人を通じて政治の一層のツイッター利用を訴えており、将来はこれを世界に広げていきたい考えだ。
今週東京を訪問したギャレットは、「議員から官僚まであらゆる政府関係者にとって、ツイッター利用と有権者とのコミュニケーションに大きな可能性があるのは明らかだ」と語った。
さて、日本の政治家はウェブを使って自分の選挙運動を有利にするチャンスを与えられるべきか? ネットの活用はより民主的な政治の実現に役立つか? さあツイートしよう。
──ブライアン・ファン
[米国東部時間2010年06月30日(火)19時06分更新]
Reprinted with permission from FP Passport, 1/7/2010. © 2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.


