『アステイオン』本誌

2015/11月発売
vol083

特集:マルティプル・ジャパン──多様化する「日本」

2015/11発売

いまや日本社会が含む多様性は、さまざまな次元が重なりあう、立体的なものになった。さらに遠い過去の史料や言語のあいまからも、「日本文化」の単一性のイメージを裏切るようなものが浮かびあがってくる。クール・ジャパンならぬ「マルティプル・ジャパン」。歴史と現代を通じて、多様なものが共存する「日本」の姿をふりかえってみよう。

目次

【特集】

  • 巻頭言苅部 直
  • 歴史の中の多様な「性」三橋順子
  • 郊外の多文化主義――「同胞」とは誰か谷口功一
  • 排除と包摂のせめぎあい――LGBTをめぐる近年の動向東 優子
  • エスニック・ビジネスから考える樋口直人
  • 「ハーフ」という幻想サンドラ・ヘフェリン
  • 在日ムスリム社会のダイナミクス工藤正子
  • 「日本」はどのようにして生まれたのか川田順造
  • 漢字を飼い慣らす知性――日本的知識人の誕生上野 誠

【論考】

  • これからの科学像を求めて野澤 聡
  • 日中美意識の比較――方正・円順・自己相似の視点から加藤 徹

【写真で読む研究レポート】

  • オリエントの東
    ――トルコ国立宮殿局所蔵 日本美術工芸品をめぐる物語
    ジラルデッリ青木美由紀

【インタビュー】

  • 米国政治とシンクタンクスコット・ベイツ+宮田智之

【世界の思潮】

  • 人文研究への願い――ソシュール最期の日々互 盛央
  • 豊かなアメリカのパラドクス中澤 渉
  • 雑音狂時代――音楽のモダニティとその臨界長門洋平

【時評】

  • 光悦・宗達の詩書画三重奏――「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」をめぐって芳賀 徹
  • 宇宙的スケールの造形世界高階秀爾
  • 京都市の大胆な実験待鳥聡史
  • 「ウクライナ」を創るプーチン田所昌幸
  • 映画《東京オリンピック》は何を「記録」したか渡辺 裕
  • オリンピックと建築家藤森照信
  • アリの貴族、または怠惰について奥本大三郎

【座談会】

  • 自然科学と哲学の対話大栗博司+山崎正和
    +三浦雅士(司会)

【連載】

  • リズムの哲学ノート――第六章 リズムと自然科学(後編)
    近代科学が哲学に教えるもの
    山崎正和

【フォーラムレポート】

  • グローバルな文脈での日本
PAGE TOP