『アステイオン』本誌

2015/5月発売
vol082

特集:世界言語としての英語

2015/5発売

事実上の世界言語としての英語の地位は、アメリカの覇権よりもずっと長持ちしそうだ。ちょうどローマ帝国が滅びた後も、ラテン語が長らくヨーロッパの共通言語であったように。だが、その英語で日本人は苦戦の連続だ。教育の英語化を一層推進するのが良いのだろうか。反面、それは母語の言語空間の貧困化を招き、文化的多様性をそこないはしないだろうか。日本語のガラパゴス空間に住む日本人は、いったい英語とどうつきあうべきなのか?

目次

【特集】

  • 巻頭言
  • 母語は世界言語によって磨かれる――あるチェコ語話者の回想トーマシュ・ユルコヴィッチ
  • スーパーグローバル大学のゆくえ――外国人教員「等」の功罪苅谷剛彦
  • グローバルイングリッシュでいこう船川淳志
  • 数十回目の英語学習発作辛酸なめ子
  • 「英語はしゃべれなくていい」は珍説か――英語教育の〝常識〟を考え直す阿部公彦
  • 少数言語は復権するか――ソーシャルメディアへの期待上村圭介
  • 危機方言はおもしろい!木部暢子

【論考】

  • 楽しみとしての科学―― ―八世紀英国の女性と数学三浦伸夫
  • 読み解けない時代――なぜリバタリアニズムに退行したかマーク・リラ
  • 一九八九年に起きたことは何だったのかピエール・グロセール
  • 東アジアの共同知としての「王道」思想――人類と自然の契約王 柯

【写真で読む研究レポート】

  • イワン・レオニドフと紙上の建築宇宙本田晃子

【地域は舞台】

  • 咲かせよ舞台芸術の花、地域から開け世界のパノラマを!
    ――劇団文芸座(富山県富山市)
    御厨 貴

【世界の思潮】

  • 官僚たたきは正しかったのか――政官関係のもう一つの見方大西 裕
  • 香港のストリートから考える福嶋亮大

【時評】

  • 「桃源万歳!」展の回想芳賀 徹
  • 「写し」と「本歌取り」高階秀爾
  • メルケル首相の東京講演細谷雄一
  • 土着の記憶を魂に響くリズムで張 競
  • 名曲喫茶という社会教育施設渡辺 裕
  • 利休と飛び石藤森照信
  • 『それから』とピケティ氏奥本大三郎

【連載】

  • リズムの哲学ノート――第六章 リズムと自然科学(前編)山崎正和

【フォーラムレポート】

  • グローバルな文脈での日本
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